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食慾
「食慾〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
食慾の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「侏儒の言葉」より 著者:芥川竜之介
えばチブスの患者などのビスケットを一つ食った為に知れ切った往生を遂げたりするのは
食慾も死よりは強い証拠である。
食慾の外にも数え挙げれば、愛国心とか、宗教的感激と....
「親子」より 著者:有島武郎
ほど経てから内儀さんが恐る恐るやって来て、夕食のしたくができたからと言って来た。
食慾は不思議になくなっていたけれども、彼はしょうことなしに父の座敷へと帰って行っ....
「深夜の市長」より 著者:海野十三
て、そこに屋台を出している「錦斗寿司」の暖簾をくぐった。僕は寿司に眼がなかった。
食慾がない今夜のようなとき、うまく腹を膨らませてくれるのは、この立ち喰いの屋台寿....
「三角形の恐怖」より 著者:海野十三
出来ない位でした。あの下の方へ細っそりとした鋭角はノウノウとした気分でいる子供の
食慾を引きつけずには置かないのでした。鋭角と子供の
食慾との間には必ずや或る真理が....
「恐しき通夜」より 著者:海野十三
話のAさんという少女に似ているところもあるようだね。とにかく其のB子夫人は、僕の
食慾を激しくあおりあげたのだった。
食慾を感ずるのは、胃袋が悪いんだろうか、その唆....
「赤外線男」より 著者:海野十三
ちに喰べるものは喰べて置かないと、たとい若い婦人にしても、顔面のない屍体を見ると
食慾がなくなるだろうと考えて、当直は夜食の親子丼の蓋をとった。 二箸、三箸つけ....
「奇賊悲願」より 著者:海野十三
る。 こういう次第だから、烏啼天駆の懊悩するのも尤もであった。そして彼は次第に
食慾を減じ、女人をして惚々させないではいない有名なる巨躯紅肉が棒鱈のように乾枯ら....
「今昔ばなし抱合兵団」より 著者:海野十三
瞭となるであろう。 7 六十×年八月八日 最小限生活に追いこまれあり、
食慾ことの外興奮して、治めるのに困難を感ず、非常時ゆえ、仕方なけれど……。 前....
「大使館の始末機関」より 著者:海野十三
独り言をいった。 博士が、年齢の割にかくしゃくたる原因は、一つは博士の旺盛なる
食慾にあるといっていい。 目の前に押釦が並んでいた。 押釦というものは便利な....
「橋」より 著者:池谷信三郎
かくしをした美しい花嫁を側に坐らせて。…… 彼女の行いがどうであろうと、彼女の
食慾がどうであろうと、けっして汚されはしない、たった一つの想い出が、暗い霧の中に....
「格さんと食慾」より 著者:芥川竜之介
さんである。 次手に顔のことを少し書けば、わたしは宇野の顔を見る度に必ず多少の
食慾を感じた。あの顔は頬から耳のあたりをコオルド・ビフのように料理するが好い。皿....
「暗号数字」より 著者:海野十三
がまぶしく光っていた。 車室へかえってくると、もう寝台はきれいに片づいていた。
食慾がない。どうも変だ。昨日はなぜあのように飲みすぎたのだろう。軍艦横丁のおでん....
「キド効果」より 著者:海野十三
で、いつも二十四時間、なにかかにかの興奮に神経を焦がしている。腹が減ってくると、
食慾が起り、牛肉のスキ焼が喰べたいとか天丼をムシャムシャやりたいとか興奮してくる....
「鴎外博士の追憶」より 著者:内田魯庵
き肥る。それには牛肉で飯を喰うのが一番だ。肉が営養があるというわけではないので、
食慾を刺戟するのは肉が一番だから、肉で喰うのが一番飯が余計喰える。」と大食と食後....
「二葉亭四迷の一生」より 著者:内田魯庵
|病牀の人となった。それから以後著るしく健康を損じて、平生|健啖であったのが俄に
食慾を減じ、或る時、見舞に行くと、「この頃は朝飯はお廃止だ。一日に一杯ぐらいしか....