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食時
「食時〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
食時の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「親子」より 著者:有島武郎
矢部の眼をまともに見やっていた。 最後の白兵戦になったと彼は思った。 もう夕
食時はとうに過ぎ去っていたが、父は例の一徹からそんなことは全く眼中になかった。彼....
「旅日記から」より 著者:寺田寅彦
日 午後にはもうイタリアの山が見えた。いよいよヨーロッパへ来たのかと思った。夕
食時にはメッシナ海峡の入り口へかかった。左にエトナが見える。富士山によく似ている....
「柿の種」より 著者:寺田寅彦
みも美しさもあわれも生まれてくるのであろう。 ただ一枚の漫画でもこういうのを朝
食時に見ると、その日一日ぐらいは自分の心情の上に何かしらよい効果を残すように思わ....
「時事雑感」より 著者:寺田寅彦
の回りがやって来て、それから数週間はずっとつづいた。そうしたある美しい金曜日の昼
食時に美しい日光のさした二階食堂でその朝突発した首相遭難のことを聞き知った。それ....
「火事教育」より 著者:寺田寅彦
場顧客が少なかったからこそ、まだあれだけの災害ですんだのであるが、あれがもしや昼
食時前後の混雑の場合でもあったとしたら、おそらく死傷の数は十数倍では足りず、事に....
「涼味数題」より 著者:寺田寅彦
中学時代に友人二三人と小舟をこいで浦戸湾内を遊び回ったある日のことである。昼
食時に桂浜へ上がって、豆腐を二三丁買って来て醤油をかけてむしゃむしゃ食った。その....
「三斜晶系」より 著者:寺田寅彦
行の話の時に思い浮かべた瀬戸内海の島が素因をなしているかと思われる。 前日の昼
食時にA君が、自分の昔の同窓の一人で現に生存しているある人の事についてほんのちょ....
「御萩と七種粥」より 著者:河上肇
夢はやはり二度とは見られませんね、私は思わずそんなことを言って見たりした。 昼
食時になると、私たちは階下の食堂に下りた。この室は最近に青楓氏が自分の好みで建て....
「星女郎」より 著者:泉鏡花
雲満空。玉炉炭火香鼕鼕。海神山鬼来座中。紙銭※風。相思木帖金舞鸞。 ※杯盤。山魅
食時人森寒。 境の足は猿ヶ馬場に掛った。今や影一つ、山の端に立つのである。 終....
「ラジオ雑感」より 著者:寺田寅彦
なかった。 某百貨店でトリルダインと称する機械を買って来て据付けた最初の日の夕
食時に聞いたのは、伴奏入りの童話で「蟻と蟋蟀」の話であった。食糧を貯蔵しなかった....
「花束の虫」より 著者:大阪圭吉
推理がハタと行詰ったかの様にあれなりずっと思索的になって了った大月は、それでも夕
食時が来てホールで三人が食卓に向うと、早速夫人へ向けて切り出した。 「少し変な事....
「私の小売商道」より 著者:相馬愛蔵
のは至極手間のかからない、簡便な弁当代りのものを認めるところであるから、昼食と夕
食時刻の前後には、あいている椅子のないほど客が充満して、数人の人手を要してなかな....
「百花園」より 著者:永井荷風
で新に買入れた古書錦絵の類を取出して示す。展覧に時刻を移したが、初夏の日は猶高く
食時にもまだ大分間がある。さりとてこの人数袂をつらねて散歩に行くべき処もない。上....
「西航日録」より 著者:井上円了
して相会するを得ず。二十九日暁天解纜、西南に向かいて進行す。船客みな夏装をなし、
食時扇風を用う。 三十日(日曜)午後、驟雨一過。その翌日はすなわち十二月一日な....
「南半球五万哩」より 著者:井上円了
に南天に入る。しかして月なお北天にあり。 二日、晴れ。日中やや炎暑を感ずるも、
食時なお発汗するに至らず。終日山影を認めず、晩に至り細雨霧のごときを見る。十月二....