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食欲
「食欲〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
食欲の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「おしの」より 著者:芥川竜之介
今年《ことし》の春頃から、何ともつかずに煩《わずら》い出した。咳《せき》が出る、
食欲《しょくよく》が進まない、熱が高まると言う始末《しまつ》である、しのは力の及....
「或る女」より 著者:有島武郎
遠い航海を試みる葉子にしては、それが不思議なくらいたやすい旅だった。ふだん以上に
食欲さえ増していた。神経に強い刺激が与えられて、とかく鬱結《うっけつ》しやすかっ....
「或る女」より 著者:有島武郎
によると、葉子は貞世にソップを飲まそうとしていろいろにいったが、熱が下がって急に
食欲のついた貞世は飯でなければどうしても食べないといってきかなかったのを、葉子は....
「カインの末裔」より 著者:有島武郎
酒の香を送ってよこすものもあった。彼れは酒の香をかぐと急にえぐられるような渇きと
食欲とを覚えて、すれ違った男を見送ったりしたが、いまいましさに吐き捨てようとする....
「生きている腸」より 著者:海野十三
ろで手を鳴らすと、チコはうれしそうに、背(?)を山のように高くした。そしてチコに
食欲ができると、彼の生き物はひとりでのろのろと灰皿のところへ匍ってゆき、ぴちゃぴ....
「獄中記」より 著者:大杉栄
た。 鱈腹食う夢を見て下痢をする 一方に学究心が盛んになるとともに、僕は僕の
食欲の昂進、というよりもむしろ食いっ気のあまりにさもしい意地きたなさに驚かされた....
「四次元漂流」より 著者:海野十三
。そしてここはどこです。僕はどうしてこんなところへきたのでしょうか」 道夫は、
食欲をひどく感じたけれど、その前にたしかめておくべきことをたしかめないでは、盆の....
「地底戦車の怪人」より 著者:海野十三
た。 だが、その林檎の色は、あまりにうつくしかった。まっ赤なつやつやした色が、
食欲をそそりたてずには、おかなかった。そして、あの甘ずっぱい林檎の匂いまでが、つ....
「世界怪談名作集」より 著者:岡本綺堂
ると、その中央には宝石のような花をつけた灌木が生えていた。ジョヴァンニはあたかも
食欲をそそられるように、一生懸命にその花の匂いを吸って喜んで、自分ながらそれに気....
「桃のある風景」より 著者:岡本かの子
食欲でもないし、情欲でもない。肉体的とも精神的とも分野をつき止めにくいあこがれが....
「異国食餌抄」より 著者:岡本かの子
夕食前の小半時、巴里のキャフェのテラスは特別に混雑する。一日の仕事が一段落ついて、今少しすれば
食欲|三昧の時が来る。それまでに心身の緊張をほぐし、徐ろに
食欲に呼びかける時間な....
「かの女の朝」より 著者:岡本かの子
袖のなかで、がさがさしてる息子の手紙を帯の間へ移す。くどく無い逸作は、或るものに
食欲を出しかけたような唇を、一つ強く引き締めることによって、其の欲望を制した。か....
「獄中消息」より 著者:大杉栄
るのは当り前のことだ。しかし僕は、去年だって一昨年だって、特にからだが弱るとか、
食欲が減るとかいうようなことは少しもなかった。そして心中ひそかに世間の奴等や従来....
「スリーピー・ホローの伝説」より 著者:アーヴィングワシントン
ろと、単純にものを信じやすいところとが妙にまじりあっていた。不可思議なことを好む
食欲も、またそれを消化する力もなみなみでなかった。しかも、それが両方ともに彼がこ....
「仏教人生読本」より 著者:岡本かの子
無明」を憎む憎しみは、やはり生かさなければなりません。 性欲は人間の三大本能(
食欲、睡眠欲、性欲)の一つであります。そして他の二欲と違って、年齢により著しき消....