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食餌
「食餌〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
食餌の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「家霊」より 著者:岡本かの子
洞窟のような家は嫌で嫌で仕方がなかった。人世の老耄《ろうもう》者、精力の消費者の
食餌療法をするような家の職業には堪えられなかった。 何で人はああも衰えというも....
「惜みなく愛は奪う」より 著者:有島武郎
与えるだろう。然し愛の本体は惜みなく奪うものだ。 アミイバが触指を出して身外の
食餌を抱えこみ、やがてそれを自己の蛋白素中に同化し終るように、私の個性は絶えず外....
「宇宙の始まり」より 著者:アレニウススヴァンテ
って、すなわち、始めには水と一匹の麝香鼠の外には何もなかった。この麝香鼠が海底で
食餌を求めていた。その間にこの鼠の口中に泥がたまったのを吐き出したのがだんだんに....
「爬虫館事件」より 著者:海野十三
す、二三分間だと思いますが、ここに出ている一頭のニシキヘビの元気が無いことから、
食餌の注意などを云って下すって其儘出てゆかれたんです」 「それは此の室だけへ入っ....
「ねずみと猫」より 著者:寺田寅彦
まりに思いあがったハイカラの考えかもしれない。ある人の話では日々わずかな一定量の
食餌をねずみのために提供してさえおけば決して器具や衣服などをかじるものではないと....
「社会時評」より 著者:戸坂潤
することに方針を変えて了ったりするのである。けれども一体犬を教育するには何よりも
食餌を与えるということが一等大事な手段だということを、人々は忘れてはならない。 ....
「桃のある風景」より 著者:岡本かの子
、特に嗅覚を中心に味覚と触覚に彼女の気鬱症は喘きを持ったらしいことが、私に勧める
食餌の種類で判った。私もそれを好まぬことはなかった。しかし、一度にもっと渾然とし....
「美醜」より 著者:豊島与志雄
ちらす蛾でさえ、歓喜のうちに飛んでるのに、蝿は足先に無数の黴菌をつけながら、なお
食餌をあさり続けようとしている。 第三はカミキリ虫だ。私はこの虫のことを悲しく....
「文学以前」より 著者:豊島与志雄
ものとなってしまった。――その代りよく人に馴れて、手を差出せば指先をしゃぶって、
食餌を請求するほどになった。人間にばかりでなく、猫にも馴れてきた。家に二匹の猫が....
「碑文」より 著者:豊島与志雄
に寝そべりました。 崔範は病床に横たわったきりで、朦朧とした意識のまま、殆んど
食餌を摂らず、十日ばかりで息絶えました。 その盛大な葬儀は、徐和がおもに指図し....
「街はふるさと」より 著者:坂口安吾
に、日本の女というものは、家庭の虫のようなものだ。物質的、精神的にも、義理人情を
食餌にして一生を終るように仕込まれている。義理人情にとっては、批判というものは無....
「話の種」より 著者:寺田寅彦
ようになった。これから考えると、生れる雛の雌雄いずれが多いかという事はその親鳥の
食餌や鳥屋の温度その他の周囲の状況できまるものだという事が分る。もし他の諸動物に....
「人魚謎お岩殺し」より 著者:小栗虫太郎
昇汞をどんな多量に用いても、それはいっこう致死量にはならないのだ。そして、過激な
食餌法で脂肪を減らし、過マンガン酸加里の変色法などを用いたので、このとおり不気味....
「妖怪報告」より 著者:井上円了
は狭窘なる位置に臥したるときは、骨を傷つき、もしくは楚撻に遭うと夢み、消化せざる
食餌をなすときは、肥大なる黒熊来たり、わが胸膈に当たりて、泰然として座したりと夢....
「料理一夕話」より 著者:北大路魯山人
い人間ばかりが生まれるだろう。それが心配になる。 およそ生きとし生けるものは、
食餌に充分な理解が入用だ。獣も鳥も魚も虫も、みな相当に理解しているようだ。立派な....