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飢寒
「飢寒〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
飢寒の前後の文節・文章を表示しています。該当する7件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「十二支考」より 著者:南方熊楠
谷に牝虎あり、新たに七子を生む、時に大雪降り虎母子を抱き三日食を求むれども得ず、
飢寒極めて虎母その子を※《くら》わんとす、五百の道士これを見て誰か能く身を捨て衆....
「キチガイ地獄」より 著者:夢野久作
えたモノスゴイ山奥に、原始生活をして来た気の強い女……ことにタッタ一人でアラユル
飢寒と戦いながら、四人もの子供を育てて来た母性が、如何に慓悍狂暴な性格に変化する....
「妾の半生涯」より 著者:福田英子
神とに因《よ》るべきは勿論《もちろん》なれども、妾らを以てこれを考うれば、むしろ
飢寒《きかん》困窮《こんきゅう》のその身を襲《おそ》うなく、艱難辛苦《かんなんし....
「学問のすすめ」より 著者:福沢諭吉
。智恵なきの極《きわ》みは恥を知らざるに至り、己《おの》が無智をもって貧窮に陥り
飢寒に迫るときは、己が身を罪せずしてみだりに傍《かたわら》の富める人を怨み、はな....
「小学教育の事」より 著者:福沢諭吉
一人にして、これを手離すときはたちまち世帯《せたい》の差支となりて、親子もろとも
飢寒《きかん》の難渋《なんじゅう》まぬかれ難し。これを下等の貧民幾百万戸一様の有....
「私本太平記」より 著者:吉川英治
についていた越後新田党の北国武士は果敢だった。山国の痩地でそだち、累代、半百姓の
飢寒と不平にたえてきた欲望の猛兵である。とかく栄耀の中にあった府内の幕士や、御家....
「大岡越前」より 著者:吉川英治
はどこに。心は、常にそぞろだった。かの女の行方をさがすための、恋の苦労と思うと、
飢寒も、ものの数ではない。恥をつつむ破れ編笠も、自分だけには、恥でない気がした。....