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「飢民〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

飢民の前後の文節・文章を表示しています。該当する12件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
十二支考」より 著者:南方熊楠
こで人々鼠穴を窮め、五、七|斛《ごく》を獲る者あり、相伝えてこれを劫鼠倉といい、飢民皆出て鼠穴に食を求め済活甚だ多し(『類函』四三二)。『古事記』に、大国主神、....
開運の鼓」より 著者:国枝史郎
纒ったまま飢え死にをした能役者もあった。元大坂の吟味与力の陽明学者の大塩平八郎が飢民救済の大旆のもとに大坂城代を焼き打ちしたのはすなわちこの頃の事である。江戸三....
前記天満焼」より 著者:国枝史郎
たためか、道を取り違えて淀川縁へ出た。 2 「去年からかけて天候不順、五穀実らず飢民続出、それなのに官では冷淡を極め、救恤の策を施そうともしない。富豪も蔵をひら....
三国志」より 著者:吉川英治
重ね、百官の驢車は、翡翠門に花のよどむような雑鬧を呈している。天下のどこに一人の飢民でもあるか、今の時代を乱兆と悲しむいわれがあるのか、この殷賑に立って、旺なる....
三国志」より 著者:吉川英治
いつも女や賭博のことから始まった。――軍律はあれど威令が添わないのである。洛陽の飢民は、夜ごと悲しげに、廃墟の星空を仰いで、 (こんなことなら、まだ前の董相国の....
三国志」より 著者:吉川英治
った。 御車は、南へ向って、あわただしく落ちて行かれた。 街道の道の辺には、飢民が幾人もたおれていた。 飢えた百姓の子や老爺は、枯れ草の根を掘りちらしてい....
三国志」より 著者:吉川英治
せぬぞ」と、すべてを容れた。 数ヵ所の大釜に粥が煮てあった。餓鬼振舞いにあった飢民の大群は、そばへ矢が飛んできても前方で激戦のわめきが起っても、大釜のまわりを....
三国志」より 著者:吉川英治
にせよ、半月も待てば必ずもとにかえる、情報によれば、許昌地方もこの水害に侵され、飢民は暴徒と化し、百姓は騒ぎ乱れ、事情は刻々険悪な状態にあると承る。――しかも関....
私本太平記」より 著者:吉川英治
も減ぜられ、吏を督して、米価や酒の値上りを正し、施粥小屋数十ヵ所を辻々に設けて、飢民を救わせ給うたとも説く。 また、天皇親政このかた、おちこちの新関は撤廃し、....
私本太平記」より 著者:吉川英治
来よう。これで洛中の士気はいちばい高まる」 山科では、死馬の腐肉にたかっている飢民があった。木の実をさがす幽鬼のような山林の人影もみな避難民なのであろう。三条....
随筆 新平家」より 著者:吉川英治
いをするなど、今や、東国の野は一陽来復の春を芽ざし、西の空、旧き都は荒涼として、飢民の土小屋に煙さえ立たず、福原の雪ノ御所なる入道相国の夢も、夜々、安からぬ風浪....
大岡越前」より 著者:吉川英治
めた大蔵経のための浄財を投じて、買えるだけの米を買い、大坂、京都、江戸の三都で、飢民を救った。 鉄眼が、大往生をとげた後も、半さんは、救民の草鞋を解かなかった....