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「飢饉〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

飢饉の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
箕輪心中」より 著者:岡本綺堂
、世の中が何となくさわがしくなって、江戸でも強いあらしが続く。諸国ではおそろしい飢饉《ききん》の噂がある。この二、三年はまことに忌《いや》な年だったと言い暮らし....
身投げ救助業」より 著者:菊池寛
生活に堪えきれぬ不幸が襲ってくると、思いきって死ぬ者が多かった。洛中洛外に激しい飢饉《ききん》などがあって、親兄弟に離れ、可愛い妻子を失うた者は世をはかなんで自....
義民甚兵衛」より 著者:菊池寛
新田の権が、昨日夕方裏の畑のところを、うろうろしていたけに、あいつかも知れんぞ。飢饉で増えたのは畑泥棒ばかりじゃ。 おきん 大根やって、今年は米の飯よりも大事じ....
人外魔境」より 著者:小栗虫太郎
プトの心臓ナイル河の水が、底をみせて涸々に乾あがるだろう。むろん灌漑水が不足して飢饉がおこる。舟行が駄目になるから交通は杜絶する。そうなって、澎湃とおこってくる....
応仁の乱」より 著者:菊池寛
用が足りなくて銀が箔れなかったなど、有名な話である。大体彼は建築道楽で、寛正の大飢饉に際し、死屍京の賀茂川を埋むる程なのに、新邸の造営に余念がない。 彼の豪奢....
故郷」より 著者:井上紅梅
がりと吩付けた。 あとで母とわたしは彼の境遇について歎息した。子供は殖えるし、飢饉年は続くし、税金は重なるし、土匪や兵隊が乱暴するし、官吏や地主がのしかかって....
学生と教養」より 著者:倉田百三
べきかは必ず懐疑に陥れる。大衆を啓蒙すべきか、二、三の法種を鉗鎚すべきか、支那の飢饉に義捐すべきか、愛児の靴を買うべきかはアプリオリに選択できることではない。個....
前記天満焼」より 著者:国枝史郎
将軍家をはじめとし、台閣諸侯、奉行輩、奢侈に耽り無為に日を暮らし、近世珍らしい大飢饉が、帝の赤子を餓死させつつあるのに、ろくろく救済の策さえ講ぜず、安閑として眺....
おばけずきのいわれ少々と処女作」より 著者:泉鏡花
額を鳩めた者もなきにしもあらずであったろう。 二十七八年戦争当時は実に文学者の飢饉歳であった。まだ文芸倶楽部は出来ない時分で、原稿を持って行って買ってもらおう....
妖怪学」より 著者:井上円了
カエサルおよびポンペイウスの内乱、エルサレムの落城、アッティラの攻入のときに大|飢饉、大疫病あり。英国オリバー・クロムウェルの死去のとき、その夜大暴風雨あり。フ....
妖怪学一斑」より 著者:井上円了
スの戦争のとき、およびカエサルとポンペイウスの内乱のときにおいても、大いに疫病、飢饉が流行し、英国にてクロムウェルの死したるとき、ならびにフランス大革命のときに....
本州における蝦夷の末路」より 著者:喜田貞吉
す。本来の目的は、これを農民と為すにありまして、中には成功して富有なものになり、飢饉の際に多くの穀物を義捐して窮民を救い、位階を授けられたという様な気の利いたも....
特殊部落と細民部落・密集部落」より 著者:喜田貞吉
。 古代にあっては下級民に余れる資産なく、多数は所謂その日暮らしであって、一旦飢饉でもあると、餓※、出す事|迚は此本願寺えの奉納のみと云。」などともある。また....
賤民概説」より 著者:喜田貞吉
の自治にのみ放任する訳には行かず、浮浪人の戸籍を作って、一定の課役を賦課し、また飢饉の際の如きは、土民浪人ともにこれを救助したというような場合もあるが、それでも....
融和問題に関する歴史的考察」より 著者:喜田貞吉
じた落伍者は、数においては比較的少いもので、もっとも多く落伍者の一時に起るのは、飢饉その他の不可抗力の天災や、あるいは戦争、その他当路者の悪政の結果等であります....