飯を食う[語句情報] » 飯を食う

「飯を食う〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

飯を食うの前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
」より 著者:芥川竜之介
ました理由は二つある。――一つは実際的に、鼻の長いのが不便だったからである。第一飯を食う時にも独りでは食えない。独りで食えば、鼻の先が鋺《かなまり》の中の飯へと....
或恋愛小説」より 著者:芥川竜之介
支那へ出かけるのでしょう。 保吉 とうていそんなことは出来ません。何しろ達雄は飯を食うために、浅草《あさくさ》のある活動写真館のピアノを弾《ひ》いているのです....
侏儒の言葉」より 著者:芥川竜之介
に精神的教養を受けない京阪辺の紳士諸君はすっぽんの汁を啜《すす》った後、鰻を菜に飯を食うさえ、無上の快に数えているではないか? 且《かつ》又水や寒気などにも肉体....
俊寛」より 著者:芥川竜之介
》、いきなり、この島へ流されたのじゃから、始はおれも忌々《いまいま》しさの余り、飯を食う気さえ起らなかった。」 「しかし都の噂《うわさ》では、――」 わたしは....
カインの末裔」より 著者:有島武郎
)は固《もと》より明盲《あきめくら》だったが、農場でも漁場《ぎょば》でも鉱山でも飯を食うためにはそういう紙の端に盲判を押さなければならないという事は心得ていた。....
小さき者へ」より 著者:有島武郎
一人は乳を求めて泣き出した。それにおこされると私の眼はもう朝まで閉じなかった。朝飯を食うと私は赤い眼をしながら、堅い心《しん》のようなものの出来た頭を抱えて仕事....
婦系図」より 著者:泉鏡花
帰りか。」 「大学(と力を入れて、)の図書館に検べものをして、それから精養軒で午飯を食うて来た。これからまたH博士の許へ行かねばならん。」 と忙しそうに肩を掉....
追憶」より 著者:芥川竜之介
はいられなかった。 「夏目さんの『行人』の中に和歌の浦へ行った男と女とがとうとう飯を食う気にならずに膳を下げさせるところがあるでしょう。あすこを牢の中で読んだ時....
自叙伝」より 著者:大杉栄
は僕が一行も書けないでいる原稿紙の上を冷やかにあざ笑うようにして見ていた。 夕飯を食うと、僕はまたすぐに寝床をしかして、横になった。彼女はしばらく無言で坐って....
日本脱出記」より 著者:大杉栄
一 去年の十一月二十日だった。少し仕事に疲れたので、夕飯を食うとすぐ寝床にはいっていると、Mが下から手紙の束を持って来た。いつものよう....
獄中記」より 著者:大杉栄
その膝に手を置いてかしこまっていた。 その後も始終見たことではあるが、囚人等の飯を食うのの早いのは実に驚くほどだ。まるで歯なぞというものは入用のないように、た....
山と雪の日記」より 著者:板倉勝宣
、焼にはまだ雲がかかっている。米をとぐと、たちまち手がこごえ、我慢ができない。糠飯を食うのは有難くないし、みんなの顔が恐ろしい。他の奴はねぼけ眼から涙を出して、....
五色温泉スキー日記」より 著者:板倉勝宣
て火鉢をかこんで食った。 十二月三十日。小林は昨夜大眼鏡をわったので、みんなが飯を食う時分にもまだ床の中でしょげている。やっと坊城が普通の眼鏡を貸したので床を....
出奔」より 著者:伊藤野枝
でなにか書く時には必ず明方近くまで起きてしまう。それに近頃は日が長くなったので晩飯を食うとすぐ七時半頃になってしまう。俺は飯を食うとしばらく休んで、たいてい毎晩....
恒藤恭氏」より 著者:芥川竜之介
上下せず。上下すれば負ける事をちゃんと心得ている故なり。されど一高にいた時分は、飯を食うにも、散歩をするにも、のべつ幕なしに議論をしたり。しかも議論の問題となる....