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飯代
「飯代〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
飯代の前後の文節・文章を表示しています。該当する12件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「夫婦善哉」より 著者:織田作之助
送りした。二階借りするのも不経済だったから、蝶子は種吉の所で寝泊りした。種吉へは
飯代を渡すことにしたのだが、種吉は水臭いといって受取らなかった。仕送りに追われて....
「坑夫」より 著者:夏目漱石
ん》の損料が一枚三銭――寒いときは是非二枚|要《い》るから、都合で六銭と、それに
飯代が一日十四銭五厘、御菜《おさい》は別ですよ。――どうです。もし坑夫にいけなか....
「みみずのたはこと」より 著者:徳冨健次郎
、つゞいて餅搗きだ。寒餅はわるくならぬ。水に浸して置いて、年中の茶受、忙しい時の
飯代り、多い家では一石も二石も搗く。縁者親類加勢し合って、歌声賑やかに、東でもぽ....
「女給」より 著者:細井和喜蔵
いや無給くらいはまだいい方でそれが甚しい処になれば逆様に傭人の方から主人へ向けて
飯代を支払わねばならない。登恵子が行った千歳などでは月十八円の
飯代を主人へ支払っ....
「獄中への手紙」より 著者:宮本百合子
けて70ばかり稼ぐらしい、こんなことは何年にもないとの由です。では又。隆ちゃん夕
飯代二人分一円もらって又出てゆきます。 七月十二日 〔巣鴨拘置所の顕治宛 山口....
「次郎物語」より 著者:下村湖人
し、お浜も次郎も、そんなことはまるで忘れてしまっているかのようであった。 「何も
飯代をいただこうというのではないし。」 これがお民から文句が出た時の用心に、お....
「天草四郎の妖術」より 著者:国枝史郎
皆雲の中へ這入って了いました。 「何だ、これっぱかりか、鄙吝れた奴等だ。が今日の
飯代にはなる。ワッハッハッハッ」 と笑う声がしたが夫れも矢っ張り雲の中からです....
「緑衣の女」より 著者:松本泰
車道へ出るところに、伊太利《イタリー》人の経営している安い喫茶店がある。そこで晩
飯代りに一寸《ちょっと》したものを口に入れてから帰ろうと思ったのである。 V停....
「天衣無縫」より 著者:織田作之助
十銭の金もない時がしばしばであった。校内の食堂はむろん、あちこちの飯屋でも随分昼
飯代を借りていて、いわばけっして人に金を貸すべき状態ではなかった。それをそんな風....
「とと屋禅譚」より 著者:岡本かの子
――さて、おなご衆さん、わしはゆうべ持っとる金をすっかり費い果した。今朝の朝
飯代が無い。あんたの仏道の結縁にもなる事だから、この旅僧に一飯供養しなさい」 ....
「宮本武蔵」より 著者:吉川英治
ててみると、路銀はみなほかの狡い連中に取られてしまったので、考えてみると、今夜の
飯代しか残っていない。 (――でも、何かやりたい) と、彼はなお、考えた。 ....
「随筆 新平家」より 著者:吉川英治
一つ。煉炭の七厘をかこんで、きつねうどんを三杯註文する。うどんの汁、いかにも、御
飯代りといったような素人の家の味である。うす暗い片隅で、黙々と、葱をキザンだり洗....