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飯屋
「飯屋〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
飯屋の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「放浪」より 著者:織田作之助
六銭で、下寺町の坂で立ちん坊をして荷車の後押しをしたのを振出しに、土方、沖仲仕、
飯屋の下廻り、板場、夜泣きうどん屋、関東煮の屋台などさまざまな商売を経て、今日、....
「東海道五十三次」より 著者:岡本かの子
の宿の名物とろろ汁の店といってももうそれを食べる人は少ないので、店はただの腰掛け
飯屋になっているらしく耕地測量の一行らしい器械を携《たずさ》えた三四名と、表に馬....
「青春の逆説」より 著者:織田作之助
奥座敷から妻君の声がしたので、豹一はほっとして表へ出た。勝山通八丁目まで行って、
飯屋で労働者にまじって十二銭の昼食をたべたあと、喫茶店の長椅子の上で死んだように....
「のろのろ砲弾の驚異」より 著者:海野十三
住居は、南京路でも一等値段がやすく、そして一等|繁昌している馬環という下等な一膳
飯屋の地下にあるのだ。 「さあ、ここがその馬環です。どうです、たいへんな繁昌でし....
「草迷宮」より 著者:泉鏡花
ず。銅で鋳たような。……その仔細を尋ぬれば、心がらとは言いながら、去る年、一|膳
飯屋でぐでんになり、冥途の宵を照らしますじゃ、と碌でもない秀句を吐いて、井桁の中....
「馬地獄」より 著者:織田作之助
にわかに見すぼらしい。橋のたもとに、ずり落ちたような感じに薄汚い大衆|喫茶店兼|
飯屋がある。その地下室はもとどこかの事務所らしかったが、久しく人の姿を見うけない....
「黒百合」より 著者:泉鏡花
じゃねえようなものの、空樽の腰掛だね、こちとらだって夏向は恐れまさ、あのそら一膳
飯屋から、横っちょに駆出したのが若様なんです。え、滝先生、滝公、滝坊、へん滝豪傑....
「アド・バルーン」より 著者:織田作之助
でも歩きつづけて、石山まで行ってやっと野宿しました。朝、瀬多川で顔を洗い、駅前の
飯屋で朝ごはんを食べると、もう十五銭しか残っていなかった。それで煙草とマッチを買....
「一利己主義者と友人との対話」より 著者:石川啄木
莫迦を言え。人間は皆赤切符だ。 B 人間は皆赤切符! やっぱり話せるな。おれが
飯屋へ飛び込んで空樽に腰掛けるのもそれだ。 A 何だい、うまい物うまい物って言う....
「幸福な家庭」より 著者:井上紅梅
、広東の貴重な料理で大きな宴会でなければ使わないと言ったが、わたしはかつて江蘇の
飯屋の献立表でこれを見たことがある。江蘇人は蛇や猫なんかは食うはずがないからたぶ....
「天衣無縫」より 著者:織田作之助
実あの人には五十銭の金もない時がしばしばであった。校内の食堂はむろん、あちこちの
飯屋でも随分昼飯代を借りていて、いわばけっして人に金を貸すべき状態ではなかった。....
「雪の夜」より 著者:織田作之助
果、一高が移転したあとすっかりはやらなくなって、永い間売りに出ていた本郷森川町の
飯屋の権利を買って、うどん屋を開業した。 はじめはかなり客もあったが、しかし、....
「式部小路」より 著者:泉鏡花
んでさ。焼を起してあくる朝、おまんまを抜きにしてすぐに昼寝で、日が暮れると向うの
飯屋へ食いに行って、また煽りつけた。帰りがけに、(おう、翌日ッから、時分時にゃ、....
「雨」より 著者:織田作之助
と噂されていた。そんな事をされたら、うちの娘たちの縁談に傷がつくやないかと、もと
飯屋の女中であった守蔵の女房お兼は、安二郎に強意見した。長女が未だ八つにしかなら....
「放浪」より 著者:織田作之助
十六銭、下寺町の坂で立ちん坊をして荷車の後押しをしたのを振出しに、土方、沖仲士、
飯屋の下廻り、板場、夜泣きうどん屋、関東煮の屋台などさま/″\な職業を経て、今日....