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飯店
「飯店〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
飯店の前後の文節・文章を表示しています。該当する13件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「道標」より 著者:宮本百合子
君の母親だった。その人にことわって、四人はソルボンヌ大学のそばの、横丁にある中華
飯店へ行った。背のひょろりとしたジャックは今年十九歳だった。十七のとき、家に雇っ....
「旅愁」より 著者:横光利一
今日は云い合したような眼まぐるしい渦巻きを久慈の胸中に呼び醒した。
「今夜は支那
飯店へ乗り込んで見よう。どういう気持ちでいるものか一つ見よう。」
とこう久慈は....
「十二支考」より 著者:南方熊楠
く、数年前エールス人ダヴッド・ロイドが、ヒャーフォードで、六脚ある牝豕をその一膳
飯店に飼ったからたまらない。見物かたがた飲食に出掛ける人|引《ひき》も切らずと来....
「踊る地平線」より 著者:谷譲次
わたって、いまこうしてキタイスカヤ街をまがろうとしている私と彼女に、眼のまえの「
飯店」の裏口に貼った紙がはっきりと読めるのだ。 閑人免進悪狗咬人 君子自重面欄莫....
「踊る地平線」より 著者:谷譲次
ちり各参志 プライベイト大宴会室の設備も有之候 これこそストランド「中国|
飯店」藤井米治氏大奮闘――の紙上披露である。すき焼開始並びに神秘的な豚鍋よ、永久....
「沙漠の古都」より 著者:国枝史郎
を一杯に描いた看板が小屋の正面に懸かっている。外題はどうやら、「収紅孩」らしい。
飯店に出入りする男子の群、酒店から聞こえる胡弓の音、「周の鼎、宋の硯」と叫びなが....
「朝御飯」より 著者:林芙美子
朝のトーストもなかなかうまいものだ。 パンで思い出すのは、北京《ペキン》の北京
飯店の朝のマアマレイド。これは誰が煮るのか、澄んだ飴色《あめいろ》をしていて甘く....
「金狼」より 著者:久生十蘭
ら、歩かないと、……蹴っとばすから!」 むやみに引っぱって、〈北京〉という中華
飯店へつれこんだ。 夕食時にすこし間があるので、店のなかには人影がなく、紫檀の....
「赤げっと 支那あちこち」より 著者:国枝史郎
か綿か羽毛かの如くに白く飛んで散乱し、行人の衣にかかり、路傍に薄く積もり、菜館、
飯店の卓に迄舞いかかる何んとも云われない詩的にして清麗の趣きを見て、涙さしぐむて....
「余齢初旅」より 著者:上村松園
海から抗州へ行った。抗州では西湖のいちばんよくみえる高台になったところにある西冷
飯店という宿に泊った。昼の二時頃、軍部と軍の病院とを訪問した。それから日の暮れ前....
「中支遊記」より 著者:上村松園
胸に描き合掌する気持で秋の日射しの中を歩いて帰った。 支那の娘 首都
飯店にあった宴会で私は上品で可愛い給仕娘に眼をとめた。私は滞在中その娘を借りて来....
「わが寄席青春録」より 著者:正岡容
華料理の女給になっている女との情事をテーマとした小説だったのであるが、一夜、その
飯店の中国人たちと私は懐中していた下駄を振り廻して渡り合いかけた事件があった。そ....
「押入れ随筆」より 著者:吉川英治
と接吻したような、一種えならぬ香気がする。前後、たった一度の経験だが、かつて北京
飯店で、そのテンジンサマだけを集めたのを、スープの底にひそめて、ただ見ると、スマ....