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飯時
「飯時〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
飯時の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「星座」より 著者:有島武郎
。俺は真先に神田の三崎町にあるトゥヰンビー館に行って円山さんに会った。ちょうど昼
飯時だったが、先生、台所の棚の上に膳を載せて、壁の方に向いて立ったなりで飯を喰っ....
「M侯爵と写真師」より 著者:菊池寛
侯爵が杉浦に御馳走する意志がなかったのは明らかである。が、それならば杉浦が突然御
飯時に押しかけて行って、御馳走を強制したのだろうか。そうとも僕には思われないので....
「野菊の墓」より 著者:伊藤左千夫
をはずませて帰って見ると、宵闇《よいやみ》の家の有様は意外に静かだ。台所で家中夕
飯時であったが、ただそこに母が見えない許り、何の変った様子もない。僕は台所へは顔....
「婦系図」より 著者:泉鏡花
のを説くこと数千言。約半日にして一先ず日暮前に立帰った。ざっと半日居たけれども、
飯時を避けるなぞは、さすがに馴れたものである。 二十五 客が来れ....
「耽溺」より 著者:岩野泡鳴
はあんな母親の拵えた子かと、またまた厭気がさした。 一二 もう、ゆう
飯時だからと思って、僕は家を出で、井筒屋のかど口からちょっと吉弥の両親に声をかけ....
「臨終まで」より 著者:梶井久
山さんの伯母さんでも」と言ってききません。「伯母さんだって世帯人だもの、今頃は御
飯時で忙しいだろうよ」と言ったものの、あまり淋しがるので弟達を呼ぶことにしました....
「工場細胞」より 著者:小林多喜二
行った。 お君は昼過ぎになってから、然し急に燥ゃぐことをやめてしまった。 昼
飯時の食堂は何時ものように、女工たちがガヤ/\と自分の場所を仲間たちできめていた....
「ああ玉杯に花うけて」より 著者:佐藤紅緑
集めた。 「たい焼きを食うものは厳罰に処すべし」 生徒は戦慄した、とその日の昼
飯時である。生徒はそれぞれに弁当を食いおわったころ、生蕃は屋台をがらがらと校庭に....
「獄中消息」より 著者:大杉栄
娑婆っ気が抜けて監獄っ気ばかりになった。終日たべ物のことばかり考えて、三度三度の
飯時を待つより外に、何の欲っ気もなくなった。毎夜二、三度はきっと眼を覚すが、気が....
「燕と王子」より 著者:有島武郎
窓から投げこみました。寡婦は仕事に身を入れているのでそれには気がつかず、やがて御
飯時にしたくをしようと立ち上がった時、ぴかぴか光る金の延べ板を見つけ出した時の喜....
「一利己主義者と友人との対話」より 著者:石川啄木
な自由な生活はないね。居処って奴は案外人間を束縛するもんだ。何処かへ出ていても、
飯時になれあ直ぐ家のことを考える。あれだけでも僕みたいな者にゃ一種の重荷だよ。そ....
「暗夜の格闘」より 著者:小酒井不木
で、しばらくのあいだ何やらぼそぼそ話をしておりましたが、それがすむと、ちょうど昼
飯時だったので、私たちは小田さんといっしょにうどんのご馳走になりました。木村さん....
「健康と仕事」より 著者:上村松園
かった。 夜中二時頃お薄を一服のむと精神が鎮まって目がさえる。それから明日の夕
飯時ごろまで徹夜の延長をし、夕方お風呂を浴びてぐっすり寝る。すると十二時前に決ま....
「不在地主」より 著者:小林多喜二
くれさせていた。 兄の健は、畠からすぐ市街地の「青年訓練所」に廻ったらしく、夕
飯時に家に帰らなかった。――健は今年徴兵検査だった。若し、万一兵隊にとられたら、....
「快走」より 著者:岡本かの子
聞紙にくるんで家を出ようとした。 「どこへ行くんです、この忙がしいのに。それに夕
飯時じゃありませんか」 母親の声は鋭かった。道子は腰を折られて引返した。夕食を....