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飯櫃
「飯櫃〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
飯櫃の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「本州横断 癇癪徒歩旅行」より 著者:押川春浪
、未醒子七杯、髯将軍と吾輩六杯、その他平均五杯ずつ、合計約五十杯、さしもに大きな
飯櫃《おはち》の底もカタンカタン。 (一〇)登山競争 町付《まちつき》....
「国貞えがく」より 著者:泉鏡花
大きい、鼻のしゃくんだ、黄色い顔が、その長さ、大人《おとな》の二倍、やがて一尺、
飯櫃形《いびつなり》の天窓《あたま》にチョン髷《まげ》を載せた、身の丈《たけ》と....
「家霊」より 著者:岡本かの子
た汁を朱塗の大椀に盛った。山椒《さんしょう》一つまみ蓋の把手《とって》に乗せて、
飯櫃《めしびつ》と一緒に窓から差し出した。 「御飯はいくらか冷たいかも知れないわ....
「海異記」より 著者:泉鏡花
動悸は一倍高うなる。 女房は連りに心急いて、納戸に並んだ台所口に片膝つきつつ、
飯櫃を引寄せて、及腰に手桶から水を結び、効々しゅう、嬰児を腕に抱いたまま、手許も....
「みさごの鮨」より 著者:泉鏡花
、つかつかと、入って来たのが、ここに居るこの女中で。小脇に威勢よく引抱えた黒塗の
飯櫃を、客の膝の前へストンと置くと、一歩すさったままで、突立って、熟と顔を瞰下す....
「黒百合」より 著者:泉鏡花
いが、向うも、隣も、筋向いも、いずれ浅間で、豆洋燈の灯が一ツあれば、襖も、壁も、
飯櫃の底まで、戸外から一目に見透かされる。花売の娘も同じこと、いずれも夜が明ける....
「星女郎」より 著者:泉鏡花
しの材木一本|横わっておらぬばかりか、大風で飛ばしたか、土礎石一つ無い。すらりと
飯櫃形の猿ヶ|馬場に、吹溜まった落葉を敷いて、閑々と静まりかえった、埋れ井戸には....
「化鳥」より 著者:泉鏡花
が明い時、寺の門を叩いたこともあったそうだし、人の庖厨へ忍び込んで、鍋の大いのと
飯櫃を大屋根へ持って、あがって、手掴で食べたこともあったそうだし、ひらひらと青い....
「新学期行進曲」より 著者:海野十三
母親 まあ……。 △洋服をぬぎ、洋服かけがちゃつく。同時に膳部の仕度の音、薬鑵、
飯櫃の音。 母親 さあ、どうぞ。 父親 よお、どっこいしょ、と……ああ道夫はどう....
「恒藤恭氏」より 著者:芥川竜之介
う。「人にされても僕は迷惑しない、だからする。」恒藤は又|賄征伐をせず。皿を破り
飯櫃を投ぐるは僕も亦能くせざる所なり。僕問う。「君はなぜ賄征伐をしない?」恒藤答....
「白髪鬼」より 著者:岡本綺堂
きました。 「ええ、今からこんなに寒くなっちゃやりきれません。」 いつもは膳と
飯櫃を置いて、すぐに立ちさる伊佐子さんが、今夜は入口に立て膝をしたままで又話しか....
「江戸の化物」より 著者:岡本綺堂
ところがある日、主人公が食事をしている時でした。給仕をしている細君があわてて
飯櫃を押さえていますので、どうしたのかと聞くと、
飯櫃がぐるぐる廻り出したというの....
「妖怪学」より 著者:井上円了
竹の長さ一尺四寸五分なるもの三本を作り、緒をもって中央にて三叉に結成し、その上に
飯櫃の蓋を載せ、三人おのおの三方より相向かいて座し、おのおの隻手あるいは両手をも....
「妖怪玄談」より 著者:井上円了
の長さ一尺四寸五分なるもの三本を造り、緒をもって中央にて三|叉に結成し、その上に
飯櫃の蓋を載せ、三人各三方より相向かいて座し、おのおの隻手あるいは両手をもって櫃....
「白峰の麓」より 著者:大下藤次郎
輝やく二、三の星は、明日も晴れぞと、互いに瞬して知らせあっている。 膳を運び、
飯櫃を運んで来た婆さんは、「どうぞよろしく」とそのまま引き下がった。見ればこれも....