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飯盒
「飯盒〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
飯盒の前後の文節・文章を表示しています。該当する11件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「さようなら」より 著者:田中英光
渋るほど無口になってゆくのに気づいた。 そんな岡田はある朝、前の野営地に自分の
飯盒《はんごう》をおき忘れ、分隊長に両ビンタを食い、その昼、みんなの食事をぼんや....
「一兵卒」より 著者:田山花袋
の釜はとうていこの多数の兵士に夕飯を分配することができぬので、その大部分は白米を
飯盒にもらって、各自に飯を作るべく野に散った。やがて野のところどころに高粱の火が....
「綺堂むかし語り」より 著者:岡本綺堂
た。 * 従軍記者の携帯品は、ピストルのほかに雨具、雑嚢または背嚢、
飯盒、水筒、望遠鏡で、通信用具は雑嚢か背嚢に入れるだけですから、たくさんに用意し....
「武装せる市街」より 著者:黒島伝治
な陽気だなあ。……ああ、弱った弱った、暑いし、腹はぺこぺこになりやがるし。……」
飯盒にわけられた、つめたい飯をかきこんだ。 「どいつもこいつも、水筒が、みんなか....
「前哨」より 著者:黒島伝治
れらがよんじゃ、いけねえんだよウ。」 だが、しばらくすると浜田は、米が這入った
飯盒から、折り畳んだものを出してきた。 「いくら石塚や山口が×××たって、ちゃん....
「播州平野」より 著者:宮本百合子
った列車が、とうとう動かず今朝までそこにいたのであった。四人一組の復員兵たちが、
飯盒《はんごう》で炊いた飯を、はしゃぎながら食べていた。 ひろ子は、まだ濡れて....
「肌色の月」より 著者:久生十蘭
のいちばん綺麗なのを掃除しておきました」 「あてなしに、フラリと出てきたもんで、
飯盒も食器も持っていないんだけど、食事、どうしたらいいのかしら」 「ご食事はバン....
「流刑地で」より 著者:カフカフランツ
らしながら将校の身体を越えてむこうを見やった。兵士は機械掃除の仕事を終え、今度は
飯盒から米がゆを鉢に入れた。もうすっかり元気を回復したように見える受刑者はこれに....
「日本の伝説」より 著者:柳田国男
り昔から続いて大きくなっておりました。石の形が飯を盛った様だからともいえば、或は
飯盒の中にはいったままで、天から降って来た石だからともいっております。 どうし....
「釜沢行」より 著者:木暮理太郎
から枝端へと飛来飛去している。能く見ると小さな白い花が咲いているのだ。水を汲みに
飯盒を下げて汀へ下り立つと、向う岸は崖をなして、其下は深くはないが淵になっている....
「秋の鬼怒沼 」より 著者:木暮理太郎
であった。体が少し落付くと腹の空いていることに気が付く。大岩から流れ落ちる雨水を
飯盒に受けて湯を沸かし、焼いた塩鮭の切身にかけて、銘々に夫を啜った。一斤のドロッ....