飯米[語句情報] » 飯米

「飯米〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

飯米の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
鰊漁場」より 著者:島木健作
、もしもここでことわられたらどうしようという不安だった。――親子五人の口をつなぐ飯米の最後の二俵を、親爺の留守のあいだに橇で町へ運び出し、金に代え、それを博奕の....
隣の嫁」より 著者:伊藤左千夫
ど、それからどうしたのさ」 「嬶がね。眼真暗で飛び込んでさ。こん生畜生め、暮れの飯米もねいのに、博打ぶちたあ何事たって、どなったまではよかったけど、そら眼真暗だ....
夜明け前」より 著者:島崎藤村
女まで置き、その奉公人の給金も三分がものは翌年は一両に増してやれるほどになった。飯米一升買いの時代のあとには、一俵買いの時代も来、後には馬で中津川から呼ぶ時代も....
夜明け前」より 著者:島崎藤村
っと日帰りで半蔵親子のところへ大風の見舞いに来た。 そろそろ半蔵は村民のために飯米の不足を心配しなければならなかったのである。そこで、寿平次をつかまえて尋ねた....
みみずのたはこと」より 著者:徳冨健次郎
女の父、郷党のちゃきちゃきです。I君が担うて来てくれたは、白米一斗、それは自家の飯米を分けてくれたのでした。それから水瓜、甘藍、球葱、球葱は此辺ではよく出来ませ....
前夜」より 著者:本庄陸男
で、明日は大勢で手伝うて下さるそうで――」それから内儀さんは云いにくそうに「――飯米を、五升ほど……何せ、お昼飯など出そうと思いますんけんど……」 「まさか、飯....
黒い地帯」より 著者:佐左木俊郎
えた。彼の家の小作人達が、小作米を自分の処へ持って来ると、後に残る米は一箇年間の飯米にも足りないほどで、買う物のために売る物の無いのに、ひどく困って居るのを気の....
社会時評」より 著者:戸坂潤
のが、軍部の態度だ。だから例えば、全国の農民団体(?)はこの頃軍部の後援を得て「飯米差押一カ年禁止」をスローガンとする運動を始めたがっているそうでその代償として....
現代日本の思想対立」より 著者:戸坂潤
あるかを、読者は注意すべきだ。 某新聞の報道によると、農民団体の新傾向として、飯米差押え一カ年禁止の運動に軍部の助力を要望しているという。国防予算は削減せずに....
東山時代における一縉紳の生活」より 著者:原勝郎
いうシミッタレた招待は、無論極く懇意の間に限られたのであろうけれど、それにしても飯米というものがいかに彼らの間にすこぶる貴重に考えられておったかが想像される。ま....
次郎物語」より 著者:下村湖人
にはどの子も頼まないから。その代りこの家とはこれっきり縁を切るから、そうお思い。飯米に困るなんてまた泣きついて来たって知らないよ。恭一にだって、これからはどんな....
四国遍路日記」より 著者:種田山頭火
い御飯をたべ風呂に入って、ぐったり寝た、アルコールなし。 米八合渡して(内五合は飯米)不足金二十銭払った。 ┌米八合渡 内五合は飯米┐ └金十三銭払 ....
壁の眼の怪」より 著者:江見水蔭
越後の村上領では有るのだけれど、又米沢からの支配をも受けているので、内藤家からも飯米を与えるが、上杉家からも毎年二十俵を、雪が積って初めて道が出来るのを待って、....
不在地主」より 著者:小林多喜二
あるもんか。」――一番おとなしい小作さえ口に出して云った。 ――小作は毎日毎日の飯米にさえ困った。納屋には米俵がつまさっている。何十俵も積まさっている。何十俵と....
斬られの仙太」より 著者:三好十郎
早く来ようと思うて急いだなれど、なんしろはあ、秋の不作では、どっこの内でもろくに飯米も残っていねしさ、お取立てが二度も三度もあるんじゃもの、あっちでもこちらでも....