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飯粒
「飯粒〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
飯粒の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「偸盗」より 著者:芥川竜之介
気が、もれるらしい。
枕もとには、縁の欠けた土器《かわらけ》がたった一つ(底に
飯粒がへばりついているところを見ると、元は粥《かゆ》でも入れたものであろう。)捨....
「或る女」より 著者:有島武郎
襁褓《むつき》から立つ塩臭いにおいや、畳の上に踏みにじられたままこびりついている
飯粒などが、すぐ葉子の神経をいらいらさせた。玄関に出て見ると、そこには叔父《おじ....
「鮨」より 著者:岡本かの子
無暗に疳高に子供は笑った。母親は、勝利は自分のものだと見てとると、指についた
飯粒を、ひとつひとつ払い落したりしてから、わざと落ちついて蠅帳のなかを子供に見せ....
「二、三羽――十二、三羽」より 著者:泉鏡花
ほくと頷いた。 そのなくなった祖母は、いつも仏の御飯の残りだの、洗いながしのお
飯粒を、小窓に載せて、雀を可愛がっていたのである。 私たちの一向に気のない事は....
「婦系図」より 著者:泉鏡花
中へ飛込んで、値なんか聞くのは。たとい、何だ、二ツがけ大きな内へ越すんだって、お
飯粒を撒いてやった、雀ッ子にだって残懐は惜いや、蔦ちゃんなんか、馴染になって、酸....
「生まれいずる悩み」より 著者:有島武郎
上がると、胴の間に降り積んだ雪を摘まんで、手のひらで擦り合わせて、指に粘りついた
飯粒を落とした。そして配縄の引き上げにかかった。 西に舂きだすと日あしはどんど....
「振動魔」より 著者:海野十三
駄目である。つまり振動数が同じでないものでは駄目である。 あとは釣るした缶に、
飯粒かなんかを、ちょっと付着させた上で、もう一度始めに釣した缶をグワーンと、ひっ....
「食魔」より 著者:岡本かの子
「うちの奴等、何を食ってやがったんだろう」 浅い皿の上から甘藷の煮ころばしが
飯粒をつけて転げ出している。 「なんだ、いもを食ってやがる。貧弱な奴等だ」 鼈....
「河明り」より 著者:岡本かの子
思い切り世の中に暴れてみようと思うことがありますの」 それから、口の中の少しの
飯粒も苦いもののように、懐紙を取出して吐き出した。 私は、この娘がそういうもの....
「貝の穴に河童の居る事」より 著者:泉鏡花
で話して、その神楽の中に、青いおかめ、黒いひょっとこの、扮装したのが、こてこてと
飯粒をつけた大杓子、べたりと味噌を塗った太擂粉木で、踊り踊り、不意を襲って、あれ....
「空襲警報」より 著者:海野十三
を分ける係ができ、そしていよいよ全員が手分をして、眼張作業が始まった。紙と布とを
飯粒で幾重にも隙間に張りかさねるのだった。例の紳士も、命ぜられて
飯粒を盛んにこね....
「古狢」より 著者:泉鏡花
ならびに一人、おなじ小学校の組の友だちが居てね。……八田なにがし……」 「そのお
飯粒で蛙を釣って遊んだって、御執心の、蓮池の邸の方とは違うんですか。」 鯛はま....
「開扉一妖帖」より 著者:泉鏡花
我慢が出来ない、お酒はどう。)……ねえ、お前さん。―― (酒はいけない。飢い時の
飯粒は、天道もお目こぼし、姉さんが改札口で見つからなかったも同じだが、酒となると....
「科学時潮」より 著者:海野十三
た面白い創作探偵小説が諸作家によって生れて来ることであろうし、結構なことである。
飯粒と弁当箱 特許局から出ている審決文中の珍なるものを一つ拾い出して御覧に入れ....
「古事記」より 著者:太安万侶
た時に、四月の上旬の頃でしたから、その河中の磯においでになり、裳の絲を拔き取つて
飯粒《めしつぶ》を餌《えさ》にしてその河のアユをお釣りになりました。その河の名は....