飲ませる[語句情報] » 飲ませる

「飲ませる〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

飲ませるの前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
疑惑」より 著者:芥川竜之介
顔色が変って、椅子ごと倒れそうになったのに驚きながら、皆私のまわりへ集って、水を飲ませるやら薬をくれるやら、大騒ぎを致して居りました。が、私はその同僚に礼を云う....
カインの末裔」より 著者:有島武郎
て来さしてそれをその中へ浸した。仁右衛門はそれを赤坊に飲ませろとさし出されたが、飲ませるだけの勇気もなかった。妻は甲斐甲斐《かいがい》しく良人《おっと》に代った....
鯉魚」より 著者:岡本かの子
い」 鉢を差し出してやると、娘は嬉《うれ》しそうに食べ、水を掬《すく》って来て飲ませると、娘はやっと元気を恢復《かいふく》した様子、そこで娘の身元ばなしが始ま....
西湖の屍人」より 著者:海野十三
蔭に女がいた。僕は帆村の腕をキュッと握りしめて緊張した。 「君、君ンとこは、まだ飲ませるだろうな」 「モチよ、よってらっしゃい」 「おいきた。友達|甲斐に、もう....
地獄街道」より 著者:海野十三
る。それはバーの主人がときどき休む月曜日の夜に、不馴れなマダムが時々こいつを客に飲ませるのだ。勿論マダムはそんな妖酒とは知らず、安ウイスキーだと思って使ってしま....
綺堂むかし語り」より 著者:岡本綺堂
くところであった。見ると、その札に曰く「人馬飲ムベカラズ」 人間は勿論、馬にも飲ませるなと云うのである。これは大変だと思って、呼びとめて訊くと、「あんな水は絶....
恐竜島」より 著者:海野十三
。 「ああ、のどが乾いた。水がのみたいなあ」 玉太郎がいった。 「今に、うんと飲ませる。その前にこの仕事を完成しておかねばならない。だって、命の救い船は、いつ....
」より 著者:海野十三
いくらいだった。 「じゃ、やりましょう。……オイ皆、休んじゃいけないぞ。後で一杯飲ませるから、なんでも彼でも、今日中に組みあげてしまうんだ」 しかし人夫はなか....
唄立山心中一曲」より 著者:泉鏡花
中を探りながら先へ立って、 「いきなり、風呂を沸かす宿屋が半道と来たんでは、一口飲ませる処とも聞きにくうございますよ。しかし何かしらありましょう……何しろ暗い。....
化銀杏」より 著者:泉鏡花
ほどでもない病気でも、夜の目も寝ないで介抱するが、お医者様のお薬でも、私の手から飲ませると、かえって毒になるようで、何でも半日ばかりの間は、今にも薬の毒がまわっ....
明日」より 著者:井上紅梅
、首を二つばかり前に振って、また二つばかり横に振った。 家へ帰ってようやく薬を飲ませると、十二時もすでに過ぎていた。單四嫂子は気をつけて様子を見た。いくらか楽....
水鬼」より 著者:岡本綺堂
もちろん、かの青年も僕も手伝って、近所の農家の井戸から冷たい水を汲んで来て、馬に飲ませる、馬のからだにぶっかける。馭者は心得ているので、どこからか荒むしろのよう....
人狼」より 著者:岡本綺堂
、すこし休息して、それからゆっくりお話しなさい。 (モウロはおいよを勦りて、薬を飲ませる。) おいよ ありがとうござります。いえ、もう弱りは致しません、泣きは致....
卵塔場の天女」より 著者:泉鏡花
いう俗信あり。) 「ちっとも構やしない、火葬場ですもの。……寝酒ぐらいはいつでも飲ませる。」 「面白い。いや、真剣だ。――天人にはまだ修業が足りない。地獄、餓鬼....
かたき討雑感」より 著者:岡本綺堂
それがために、その前夜はかたきの方を眠らせないとか、あるいは水盃に毒を入れて飲ませるとか、種々の臆説を伝える者もあるが、そんなことはしなかったに相違ない。万....