»
飲干
「飲干〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
飲干の前後の文節・文章を表示しています。該当する8件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「旧主人」より 著者:島崎藤村
燵掛《こたつがけ》の上に溢《こぼ》れましたのです。奥様は目を閉《つぶ》って一口に
飲干して、御顔を胡燵《おこた》に押宛てたと思うと、忍び音に御泣きなさるのが絞るよ....
「藁草履」より 著者:島崎藤村
んで、その上に熱い涙を落しましたとのこと。 「という訳で」と書記は冷くなった酒を
飲干して、「ところが同僚は極の好人物《ひとよし》だもんだで、君どうでしょう、泣寝....
「四日間」より 著者:ガールシンフセヴォロド・ミハイロヴィチ
其姿だ」と。 相変らずの油照、手も顔も既うひりひりする。残少なの水も一滴残さず
飲干して了った。渇いて渇いて耐えられぬので、一滴甞める積で、おもわずガブリと皆飲....
「戦場」より 著者:夢野久作
私は又ハッと気を取直した。ポケットに忍ばせていたメントール酒の残りをグッと一息に
飲干して、背筋を匐い上る胴震いと共にホーッと熱い呼吸を吹いた。わななく膝を踏み締....
「敵討札所の霊験」より 著者:三遊亭円朝
諸方を見物致して居りましたが、ちょうど紅葉時分で、王子の滝の川へ往って瓢箪の酒を
飲干して、紅葉を見に行く者は、紅葉の枝へ瓢箪を附けて是を担ぎ、形は黒木綿の紋付に....
「悪獣篇」より 著者:泉鏡花
した。 吻々吻と花やかな、笑い声、浜のあたりに遥に聞ゆ。 時に一碗の茶を未だ
飲干さなかった、先生はツト心着いて、いぶかしげな目で、まず、傍なる少年の並んで坐....
「すみだ川」より 著者:永井荷風
》が縁《ふち》の厚い底の上ったコップについで出す冷酒《ひやざけ》を、蘿月はぐいと
飲干《のみほ》してそのまま竹屋《たけや》の渡船《わたしぶね》に乗った。丁度河の中....
「つゆのあとさき」より 著者:永井荷風
けるために、声まで作ったが、それなり後の言葉が出て来ないので、湯呑の茶をゆっくり
飲干して静に下に置いた。君江は昨夜矢田と神楽坂へ泊った事は知られていないにしても....