飼主[語句情報] » 飼主

「飼主〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

飼主の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
半七捕物帳」より 著者:岡本綺堂
すよ」 「その猿はどうしました」と、わたしは好奇心にそそられて又訊いた。 「その飼主は一貫文の科料、猿公は世間をさわがしたという罪で遠島、永代橋から遠島船に乗せ....
半七捕物帳」より 著者:岡本綺堂
の目には薄気味の悪いような一種不快の感をあたえることがあっても、それだけではまだ飼主に対して苦情を持ち込む有力の理由とは認められなかった。併したくさんの動物は決....
」より 著者:黒島伝治
が占領するんだ。――俺達はその悪い役目さ。」 吉原は暖炉のそばでほざいていた。飼主が――それはシベリア土着の百姓だった――徴発されて行く家畜を見て、胸をかき切....
火星兵団」より 著者:海野十三
ためばかりあさるのはおかしいよ。だって、あの犬は三、四百円もする高い犬なんだぜ。飼主が食べ物をやらないはずはない」 「そんなことは、わかりゃしない。モロー彗星が....
南地心中」より 著者:泉鏡花
閉めた中に居て、ような、いつも留守してくれますのえ。」 二十二 「飼主とは申しましても、かえって私の方が養われました、あの、猿でさえ、……」 多....
フランダースの犬」より 著者:菊池寛
なものでした。そのルーヴァンまでは、まだなかなかなんですもの。金物屋は、どこかに飼主にはぐれた犬でも居ないものか、いたら、なるたけ大きな奴をひっ捕えて、しばりつ....
化鳥」より 著者:泉鏡花
て、そのかわり何でもたべるものを分けてやるので、誰といって、きまって世話をする、飼主はないのだけれど、猿の餓えることはありはしなかった。 時々|悪戯をして、そ....
」より 著者:岡本綺堂
化けるだろうと近所の者もいう。さりとて捨てるわけにも行かず、殺すわけにも行かず、飼主の私も持て余しているのだと、婆さんは話した。 それを聞いて、夫婦は直ぐに商....
安吾人生案内」より 著者:坂口安吾
あるけれども分らないことはない。なぜなら、これをグロテスクと感じるのは私の方で、飼主にしてみれば可愛いばかりでおよそグロテスクだとは思わないにきまっている。そし....
明日は天気になれ」より 著者:坂口安吾
、その弱点をさらけだしてみせることによって信頼や恭順や求愛を示す。 一般に犬は飼主を信頼するが人間を信頼していない。コリー種の犬はそこが普通の犬とちがっている....
二葉亭四迷の一生」より 著者:内田魯庵
犬として解放してしまった。すると或る日、その中の一頭が巡査に吠付き、追われて元の飼主たる徳永商店に逃込んだのを巡査は追掛けて来て、店から引摺出して店前で撲殺し、....
天を怖れよ」より 著者:小川未明
脾骨の見えるような馬を屠殺するために、連れて行くのを往来などで遊んでいて見た時、飼主の無情より捨てられて、宿無しとなった毛の汚れた犬が、犬殺しに捕えられた時、子....
世間師」より 著者:小栗風葉
女だって活物だ、なぜその日に困らねえようにしておいてやらねえ。食わせりゃこっちが飼主よ、指でも指しやがると承知しねえぞ!」 「そうだそうだ、そんな分らねえ奴あ擲....
特殊部落の成立沿革を略叙してその解放に及ぶ」より 著者:喜田貞吉
うが、天武天皇以来牛馬を殺す事を禁ぜられ、年取って役に立たぬ様になった牛馬でも、飼主はこれを飼い殺しにしなければならぬ。そしてその斃死したものは屠者に渡す。屠者....
牛捨場馬捨場」より 著者:喜田貞吉
してこれを処理する場合が多かったらしい。地方によっては江戸時代に至ってもなおその飼主より、祝儀の名目によって相当の手数料を徴し、これを引き取るの習慣を有する所も....