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「飼葉〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

飼葉の前後の文節・文章を表示しています。該当する10件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
恐怖城」より 著者:佐左木俊郎
りた。そして、長靴のままで露台へ上がっていった。 「それから済まねえが、その馬に飼葉をやっておいてくれねえかなあ。近所の馬を借りてきたんだから……」 巡査は露....
半七捕物帳」より 著者:岡本綺堂
ると、それはこの近所に住んでいる馬秣屋《まぐさや》の亭主です。この時代には普通に飼葉屋《かいばや》とか藁屋《わらや》とか云っていましたが、その飼葉屋の亭主の直七....
去年」より 著者:伊藤左千夫
。牡牛のうめき声、子牛の鳴き声等あい混じてにぎやかである。いずれもいずれも最後の飼葉としていま当てがわれた飼桶をざらざらさも忙しそうに音をさせてねぶっている。主....
古事記物語」より 著者:鈴木三重吉
した。そして、なお飽き足らずに、そのおからだをずたずたに切り刻んで、それをうまの飼葉を入れるおけの中へ投げ入れて、土の中へ埋めておしまいになりました。 ....
断片(Ⅰ)」より 著者:寺田寅彦
た。 馬はと見ると電柱につながれてじっとして立っていた。すぐその前に水を入れた飼葉槽が置いてあるが、中の水は真黄色な泥水である。こんなきたない水を飲んだのだろ....
土地」より 著者:豊島与志雄
やって来た。背の高い灌木や大きな木の切株を自家の薪に、美しい草を野田の旦那の馬の飼葉に、自分で刈って運んでいった。 「お父つぁん、おらにも鍬を執らしてくれよ。」....
イワンの馬鹿」より 著者:菊池寛
言いました。 「いいとも、いいとも。」 とイワンは言いました。 「どうせ私は馬の飼葉の世話をせにゃならんから、外へ行こう。」 そうしてイワンは少しのパンと外套....
荒蕪地」より 著者:犬田卯
にきいて見ッから。」 お美津はそのとき、封印された馬に新しい切藁を与えていた。飼葉桶を内側へ入れようとすると、馬はいつものように鼻で言葉をいうように首を押しつ....
元八まん」より 著者:永井荷風
ぐ下には、古板《ふるいた》で囲った小屋が二、三軒あって、スエータをきた男が裸馬に飼葉《かいば》を与えている。その側《そば》には朝鮮人の女が物を洗っている。わたく....
三国志」より 著者:吉川英治
命された。 満城、その夜は篝を焚き、未明の発向というので、腰に兵粮をつけ馬にも飼葉を与え、陣々には少量の門出酒も配られて、東雲の空を待っていた。 関羽もすっ....