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飽き
「飽き〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
飽きの前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「偸盗」より 著者:芥川竜之介
に、もうかれこれ未《ひつじ》になる。お前さんも、もうわたしのおしゃべりには、聞き
飽きたろう。」
蛙股《かえるまた》の杖《つえ》は、こういうことばと共に動いた。....
「河童」より 著者:芥川竜之介
僕はこういう彼の話をかなり正確に写したつもりである。もしまただれか僕の筆記に
飽き足りない人があるとすれば、東京市外××村のS精神病院を尋ねてみるがよい。年よ....
「彼 第二」より 著者:芥川竜之介
も善《い》いじゃないか?」
「いや、決して善《よ》くはないよ。僕などはもう支那に
飽き飽きしている。」
「支那にじゃない。上海《シャンハイ》にだろう。」
「支那に....
「奇遇」より 著者:芥川竜之介
。趙生を始め大勢の友人たちは、勿論この変化を不思議に思った。王生ももう道楽には、
飽きたのかも知れないと云うものがある。いや、どこかに可愛い女が、出来たのだろうと....
「Mensura Zoili」より 著者:芥川竜之介
「まだ、ZOILIA の土を踏むには、一週間以上かかりましょう。私は、もう、船が
飽き飽きしました。」
「ゾイリア――ですか。」
「さよう、ゾイリア共和国です。」....
「或日の大石内蔵助」より 著者:芥川竜之介
ていない。
「引き上げの朝、彼奴《きゃつ》に遇《あ》った時には、唾を吐きかけても
飽き足らぬと思いました。何しろのめのめと我々の前へ面《つら》をさらした上に、御|....
「素戔嗚尊」より 著者:芥川竜之介
仲間の若者たちの方を眺めやった。が、彼等はもうその時には、流れを飛び越えるのにも
飽きたと見えて、また何か新しい力競《ちからくら》べを試むべく、面白そうに笑い興じ....
「侏儒の言葉」より 著者:芥川竜之介
いを見出したであろう。その上又例の「彼女の心」! 実際我我の愛する女性は古往今来
飽き飽きする程、素ばらしい心の持ち主である。のみならず彼女の服装とか、或は彼女の....
「或る女」より 著者:有島武郎
どの快速力で走っていた。葉子の心はただ渾沌《こんとん》と暗く固まった物のまわりを
飽きる事もなく幾度も幾度も左から右に、右から左に回っていた。こうして葉子にとって....
「或る女」より 著者:有島武郎
思った。
倉地も葉子に譲らないほどの執着をもって葉子がささげる杯から歓楽を飲み
飽きようとするらしかった。不休の活動を命《いのち》としているような倉地ではあった....
「星座」より 著者:有島武郎
白石の父の賢明さを思い浮べた。父子で身にしみじみと話しこんで顔にとまった蚊が血に
飽きすぎて、ぽたりと膝の上に落ちるまで払いもせずにいたという、そういう父子の間柄....
「惜みなく愛は奪う」より 著者:有島武郎
お前はいつでも心にもない言行に、美しい名を与える詐術を用いていた。然しそれに
飽き足らず思う時が遂に来ようとしている。まだいくらか誠実が残っていたのはお前に取....
「霊界通信 小桜姫物語」より 著者:浅野和三郎
じませぬが、往時はよくこんな事があったものでございまして……。 兎に角斯うして
飽きも飽かれもせぬ仲を割かれた娘の、その後の歎きと言ったら又格別でございました。....
「杜子春」より 著者:芥川竜之介
はもういらないのです」 「金はもういらない? ははあ、では贅沢をするにはとうとう
飽きてしまったと見えるな」 老人は審しそうな眼つきをしながら、じっと杜子春の顔....
「兄貴のような心持」より 著者:芥川竜之介
一度もない。と同時に退屈した覚えも皆無である。菊池となら一日ぶら/\していても、
飽きるような事はなかろうと思う。(尤も菊池は
飽きるかも知れないが、)それと云うの....