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「飽き飽き〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

飽き飽きの前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
彼 第二」より 著者:芥川竜之介
も善《い》いじゃないか?」 「いや、決して善《よ》くはないよ。僕などはもう支那に飽き飽きしている。」 「支那にじゃない。上海《シャンハイ》にだろう。」 「支那に....
Mensura Zoili」より 著者:芥川竜之介
「まだ、ZOILIA の土を踏むには、一週間以上かかりましょう。私は、もう、船が飽き飽きしました。」 「ゾイリア――ですか。」 「さよう、ゾイリア共和国です。」....
侏儒の言葉」より 著者:芥川竜之介
いを見出したであろう。その上又例の「彼女の心」! 実際我我の愛する女性は古往今来飽き飽きする程、素ばらしい心の持ち主である。のみならず彼女の服装とか、或は彼女の....
家霊」より 著者:岡本かの子
、ただそれだけだった。それは夢のようでもあり、いつまで経っても同じ繰返しばかりで飽き飽きしても感じられた。 母親が病気で永い床に就き、親類に喚《よ》び戻されて....
春の潮」より 著者:伊藤左千夫
あ」と二、三度省作から小言が出て、午後の二時ごろ三人はようやく御蛇が池へついた。飽き飽きするほど日のながいこの頃、物考えなどしてどうかすると午前か午後かを忘れる....
自叙伝」より 著者:大杉栄
以来のお互いの気持でも話そうじゃないか。僕はもう、こんな醜い、こんないやなことは飽き飽きだ。ね、お互いにもう、いい加減打ちきり時だぜ。」 「ええ、私ももう幾度も....
幸福のうわおいぐつ」より 著者:アンデルセンハンス・クリスチャン
るのは『その日、その日の話』というやつで、わざわざ本でよまないでも、毎日のことで飽き飽きしますよ。」 「『その日、その日の話』といいますと。」と、得業士はふしん....
醜い家鴨の子」より 著者:アンデルセンハンス・クリスチャン
おや! 一番大きいのがまだ割れないでるよ。まあ一体いつまで待たせるんだろうねえ、飽き飽きしちまった。」 そう言って、それでもまた母親は巣に坐りなおしたのでした....
一利己主義者と友人との対話」より 著者:石川啄木
り歩いた癖に。 B 皮肉るない。今度のは下宿じゃないんだよ。僕はもう下宿生活には飽き飽きしちゃった。 A よく自分に飽きないね。 B 自分にも飽きたさ。飽きたか....
高原の太陽」より 著者:岡本かの子
なると、まるでぽかんとして仕舞うのですね」 それは恰度菓子造りの家の者が菓子に飽き飽きしながら、絶えず糖分を摂取せずにはいられないようなものではなかろうか。 ....
豆腐買い」より 著者:岡本かの子
たブローチとなって加奈子のポケットへ忍ばせてあった。加奈子は婆さんのおしゃべりに飽き飽きして片方の手をコツンと箱にさわらせた。そして一方の手で豆腐をいれた皿には....
二葉亭四迷の一生」より 著者:内田魯庵
っけ、」と悔いていた。 その中に戦争は熄んだ。読者は最早露西亜や満洲の記事には飽き飽きした。二葉亭の熱心なる東露の産業の調査は益々新聞に向かなくなった。そこで....
越年」より 著者:岡本かの子
って銀座を新橋の方から表通りを歩いて裏通りへと廻って行った。 「十日も通うと少し飽き飽きして来るのねえ」 加奈江がつくづく感じたことを溜息と一緒に打ち明けたの....
ものぐさなきつね」より 著者:小川未明
原や、黒い村や、白く霧のかかった林や、ものすごい水の上を照らしていることが、もう飽き飽きして、まったくいやになってしまったにちがいありません。 けれど、若々し....
世間師」より 著者:小栗風葉
度のようなことで、銀行が潰れた日にゃ浮む瀬はありゃしない。今までだっていい加減に飽き飽きしたもの、この上また何年も何年も、こんな――食いたい物も食わないで辛抱す....