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飽く
「飽く〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
飽くの前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「偸盗」より 著者:芥川竜之介
たい心の疲労に、襲われた。もし周囲が周囲だったら、彼は必ずそこに身を投げ出して、
飽くまで休息をむさぼった事であろう。しかし、彼が相手の顔をふみつけて、血のしたた....
「邪宗門」より 著者:芥川竜之介
ず。」と罵ったと申すではございませんか。
十四
しかしあの
飽くまでも、物に御騒ぎにならない若殿様は、すぐに勇気を御取り直しになって、悠々と....
「或敵打の話」より 著者:芥川竜之介
《かたき》瀬沼兵衛《せぬまひょうえ》の快癒も祈らざるを得なかった。
が、運命は
飽くまでも、田岡甚太夫に刻薄《こくはく》であった。彼の病は重《おも》りに重って、....
「るしへる」より 著者:芥川竜之介
「るしへる」自らその耳に、邪淫《じゃいん》の言を囁きしを。ただ、わが心弱くして、
飽くまで夫人を誘《さそ》う事能わず。ただ、黄昏《こうこん》と共に身辺を去来して、....
「素戔嗚尊」より 著者:芥川竜之介
に御誂《おあつら》えなのがある筈だ。厩《うまや》には馬も五六匹いる。」
相手は
飽くまでも滑《なめらか》な舌を弄しながら気軽く楡《にれ》の根がたを立ち上った。若....
「或る女」より 著者:有島武郎
までさすらって行くのを葉子は格別なんとも思っていなかった。振り分け髪の時分から、
飽くまで意地《いじ》の強い目はしのきく性質を思うままに増長さして、ぐんぐんと世の....
「或る女」より 著者:有島武郎
た桑の広蓋《ひろぶた》を引き寄せて、それに手携《てさ》げや懐中物を入れ終わると、
飽く事もなくその縁《ふち》から底にかけての円味《まるみ》を持った微妙な手ざわりを....
「惜みなく愛は奪う」より 著者:有島武郎
る解釈ではない。私はもっと違った視角からこの現象を見なければならぬ。 愛がその
飽くことなき掠奪の手を拡げる烈しさは、習慣的に、なまやさしいものとのみ愛を考え馴....
「宇宙の始まり」より 著者:アレニウススヴァンテ
ろしい鉄時代が来た。謙譲、忠誠、真実は地上から飛び去り、虚偽、暴戻、背信、そして
飽くことを知らぬ黄金の欲望並びに最も粗野な罪悪の数々がとって代った。 オヴィド....
「唄立山心中一曲」より 著者:泉鏡花
もっと末へ寄っておりましたが――この緋葉の真最中、草も雲も虹のような彩色の中を、
飽くほど視て通った私もね、これには足が停りました。 なんと……綺麗な、その翼の....
「霊界通信 小桜姫物語」より 著者:浅野和三郎
り粉々にして了いました。 が、私としては天狗さんの力量に驚くよりも、寧しろその
飽くまで天真爛漫な無邪気さに感服して了いました。 『あんな鹿爪らしい顔をしている....
「霊訓」より 著者:浅野和三郎
共に、頻りに死後の生命の有無、その他人生諸問題につきて討究を重ねた。彼の宗教心は
飽くまで強いのであるが、しかし在来の神学的ドグマは、到底彼の鋭利直截なる研究的良....
「ファラデーの伝」より 著者:愛知敬一
三百ポンドの年金を受けることになった。 ファラデーは、まず研究せんとする問題を
飽くまで撰んで、それからこれを解決すべき実験の方法を熟考する。新しい道具が入用と....
「スリーピー・ホローの伝説」より 著者:アーヴィングワシントン
言っていたから、彼はよく気をつけて、相手に機会をあたえないようにした。このように
飽くまで平和的手段に出られると、ブロムはひどく癪に障ったが、彼がうつ手はただひと....
「瘠我慢の説」より 著者:石河幹明
志を代表したるものと見るべからず。すなわち彼等の目的は時機に投じて恩威並び施し、
飽くまでも自国の利益を張らんとしたるその中には、公使始めこれに附随する一類の輩に....