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飽く迄
「飽く迄〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
飽く迄の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「真景累ヶ淵」より 著者:三遊亭円朝
ら討つがものは無い、己《おのれ》と死ぬものじゃから其の念を断つ処が出家の修行で、
飽く迄も怨む執念を断《き》らんければいかん、それに貴様は幾歳《いくつ》じゃ、十二....
「大島が出来る話」より 著者:菊池寛
た。 殊に、夫人が仏教の信者であった為めに、仏教の形式主義《フォマリズム》が、
飽く迄もこの悲しみの家を支配して居た。坊主が、眠むそうな声をして、阿弥陀経《あみ....
「幽霊塔」より 著者:黒岩涙香
、猶権田時介との約束に縛られて居るのだから、少しも慰めの言葉を発する事は出来ず、
飽く迄も秀子を汚らわしい罪人と信じて居る様に見せ掛けて居ねばならぬ、お紺婆を殺し....
「ある抗議書」より 著者:菊池寛
戦慄を感ぜずには居られませんでした。骨組の如何にも逞しい身体、眼は血走って眉毛は
飽く迄も濃く、穢悪な大きな低い鼻と云い、太く横に走った唇と云い、人間の獰猛な獣性....
「厳島合戦」より 著者:菊池寛
む)二万七千余騎を引率し、山口をうち立ち、岩国永興寺に陣じ、戦評定をする。晴賢は
飽く迄スパイの言を信じ、厳島へ渡って、宮尾城を攻滅し、そして毛利の死命を制せんと....
「光と風と夢」より 著者:中島敦
いなかった。患者の一人が冷たくなりかかっていた。それは、実に立派なサモア人で、色
飽く迄黒くアラビヤ人風の鷲型の風貌をしていた。七人の近親者が取囲んで、彼の手足を....
「現代唯物論講話」より 著者:戸坂潤
。
カントは直観空間に私かに悟性を結合して、形式的直観の概念を得たにも拘らず、
飽く迄直観空間がそのまま(形式的直観として)幾何学の基礎――幾何学的空間――にな....
「認識論とは何か」より 著者:戸坂潤
て決定される他はない。而もそれは明白感という様な懐手によっては決定されないので、
飽く迄それで以てやって見るという事で決まるのである。 プラグマティズムが、従来....
「松の操美人の生埋」より 著者:三遊亭円朝
同類「こりゃア千島さんの云うのが尤もだ、私らもお前さまと同意で、遣るなれば共々
飽く迄も遣りましょう」 圖「ふん左様か、そう度胸が据ったら宜い、そうなら話すが実....
「南島譚」より 著者:中島敦
り引掻き突飛ばした揚句《あげく》、丸裸に引剥いて了《しま》った。エビルは腕も脚も
飽く迄太く、膂力《りょりょく》に秀でた女だったのである。エビルの多情は衆人周知の....
「陳情書」より 著者:西尾正
に客待ちして居る自動車を呼び寄て素早やく其の内に姿を隠して了いました。勿論私は、
飽く迄も尾行する決心だったので、間髪を容れず同じく自動車に乗り込みあの前の自動車....
「母たち」より 著者:小林多喜二
そっちにいるお前はおかしく思うだろうが、残された人達が「戦旗」の配布網を守って、
飽く迄も活動していた。然し、とう/\持って行き処のなくなったその人達は最後に、重....
「大捕物仙人壺」より 著者:国枝史郎
それだって別の鼬ですよ」 「いいえ同じ鼬です。妾見たから知っています」 お琴は
飽く迄も云うのであった。 紫錦はこれ迄は源太夫を別に嫌ってはいなかった。しかし....
「春」より 著者:岡本かの子
水晶と言い通せない恩があります。加奈子は私の神様仏様ですから、でも、恩は恩。私は
飽く迄あなたにだけは水晶と言い張って見せ度いのです。御同意下さいよ。しかし恩は恩....
「不在地主」より 著者:小林多喜二
いて、どんなに飢えなければならないか! 武藤などは、この「薯」のことだけでも、
飽く迄戦い抜かなければならないと云っている。 情報、六 出樽以来二週間に達し....