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「飾り気〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

飾り気の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
幽霊塔」より 著者:黒岩涙香
口の奥の方から出て来て、爾して手袋へ続いて居る、余は此の様な手袋は見た事が無い、飾り気の少しも無い総体の身姿にも不似合だ、何か此の手袋で隠して居るのでは無かろう....
深夜の市長」より 著者:海野十三
変な問答をするところは、まるで芝居の舞台を見るような気がした。それにしても、例の飾り気ない調子でぶっきら棒な物の言い方をするのを横から聞いていると、この老人には....
赤外線男」より 著者:海野十三
この事件の一切の顛末を聞くことが出来たのだった。彼は中学校で同級だったときのあの飾り気のない口調で、こんな風に最後の解決を語った。 「『赤外線男』が白丘ダリアと....
般若心経講義」より 著者:高神覚昇
淋しいことです。大人になればなるほど、この叱り手を要求するのです。頭から、なんの飾り気もなく、自分の行動を批判してくれる人が、ほしいのです。蔭でとやかく非難し、....
愛と認識との出発」より 著者:倉田百三
なものである。そこには氏の人格の奥床しささえ窺われて、確信のそのまま溢れたような飾り気のない文章は氏の内面の生活の素朴を思わせ、人をしてすずろに尊敬の念を起こさ....
連環記」より 著者:幸田露伴
だが、今は既に泥水全く分れて、湛然清照、もとより浮世の膠も無ければ、仏の金箔臭い飾り気も無くなっていて、ただ平等慈悲の三昧に住していたのである。二人の談話は何様....
東上記」より 著者:寺田寅彦
いと云いますのでなあ」と言葉つき不思議なるを、国はと問えば広島近在のものなる由。飾り気一点なきも樸訥のさま気に入りてさま/″\話しなどするうち京都々々と呼ぶ車掌....
カラマゾフの兄弟」より 著者:ドストエフスキーフィヨードル・ミハイロヴィチ
これはベンチと椅子をつなぎ合わして仕立てたものであった。まん中の窓のそばにある、飾り気のない、不細工な、木造りの四角のテーブルは、その片隅から移されたものらしか....
世界怪談名作集」より 著者:岡本綺堂
間を取るようにと私に命令したのであった。 部屋は洗面台と数冊の書籍とをそなえた飾り気のない小さい室である。壁にかけられた若干の絵のほかには、ほとんど何の装飾も....
イオーヌィチ」より 著者:神西清
鮮さ、眼や頬のあどけない表情によってであった。彼女のきものの着こなしまでが、その飾り気のなさや無邪気な雅趣によって、彼の眼には何かこう世の常ならぬ可憐なもの、い....
紅毛傾城」より 著者:小栗虫太郎
らずも数ページの驚畏すべき記事が、私の眼を射た。 それは、素朴そのままの、何ら飾り気のない文章で、七年ぶりに帰還した、土人ナガウライの談話と銘打たれてある。 ....
青春の息の痕」より 著者:倉田百三
す。 私はただ「神の国とその正しきとを求め」ればよいわけです。天香師は慈悲深い飾り気のない徹底的な方です。その自由な暮らし方はそばで見ていても気持ちがいいほど....
ワーニャ伯父さん」より 著者:神西清
なぜおれは年をとってしまったのだ? なぜおれの気持があの人に通じないのだ? あの飾り気たっぷりの言い回し、カビの生えた女大学式な考え、世の中を滅ぼすものとかなん....
はつ恋」より 著者:神西清
くりルーシンにぶつかったので、とびあがるほど嬉しかった。わたしは彼のまっすぐな、飾り気のない性質が好きだったし、かてて加えて、この久しぶりの面会が、わたしの胸に....
魂の喘ぎ」より 著者:大倉燁子
僕は公高は見ないから知らないが、母夫人の方は二度見ましたよ。一度は乗馬倶楽部で、飾り気のないさっぱりとした乗馬服を着て栗毛の馬に乗っている颯爽とした姿、もう一度....