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「飾り窓〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

飾り窓の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
浅草公園」より 著者:芥川竜之介
ない。が、稀《まれ》には彼自身も少年のいることを忘れたように帽子屋《ぼうしや》の飾り窓などを眺めている。 4 こう云う親子の上半身《じ....
彼 第二」より 著者:芥川竜之介
「まだ何《なん》とも返事は来ない。」 僕等はいつか教文館《きょうぶんかん》の飾り窓の前へ通りかかった。半《なか》ば硝子《ガラス》に雪のつもった、電燈の明るい....
お律と子等と」より 著者:芥川竜之介
、半分は小さな郵便局に、半分は唐物屋《とうぶつや》になっている。――その唐物屋の飾り窓には、麦藁帽《むぎわらぼう》や籐《とう》の杖が奇抜な組合せを見せた間に、も....
侏儒の言葉」より 著者:芥川竜之介
ボルグだのベエメだのではない。実は我々文明の民である。同時に又我々の信念も三越の飾り窓と選ぶところはない。我々の信念を支配するものは常に捉え難い流行である。或は....
女の決闘」より 著者:太宰治
来て、おかみと何やら話していたが、やがて出て来て、こんどは下町へ出かけ、ある店の飾り窓の前に、ひたと吸いついて動かなんだ。その飾り窓には、野鴨《のがも》の剥製《....
」より 著者:島崎藤村
月末のことで、町々の空気は薄暗い。長いこと東京に居なかった山本さんは、新式な店の飾り窓の前などを通りながら、往来《ゆきき》の人々をよく注意して歩いた。以前には戦....
疑問の金塊」より 著者:海野十三
知らない人はあるまいが、事件というのは今から十日ほど前、銀座第一の花村貴金属店の飾り窓から、大胆にもそこに陳列してあった九万円の金塊を奪って逃げたという金塊強奪....
大切な雰囲気」より 著者:小出楢重
ねぼけたものとなってしまいがちだ。いかに玉でも磨かざれば光なしという。玉を並べる飾り窓もまた必要だろうと思う。 (「東京朝日新聞」昭和五年四月) 挿絵の雑....
歯車」より 著者:芥川竜之介
り、さっさとこのカッフェを後ろにして行った。 僕は往来を歩きながら、いろいろの飾り窓を覗いて行った。或額縁屋の飾り窓はベエトオヴェンの肖像画を掲げていた。それ....
出家物語」より 著者:坂口安吾
いってくるのを見たゞけでも興ざめるほどの大根足であったりするのに、キヨ子の裸体は飾り窓の中の人形のように手脚がスクスクのびていて、白く、なめらかであった。顔を見....
私の小売商道」より 著者:相馬愛蔵
ある。建具屋が店頭で仕事をしているのもその一例である。ところが近来どこの商店でも飾り窓などに馬鹿な金をかけることが流行で、狭い間口の店まで貴重な売場面積をショウ....
銀三十枚」より 著者:国枝史郎
ろう」 おずおず眼をあけて車外を覗いた。 そこは賑かな広小路であった。冬物が飾り窓に並べられてあった。それを覗いている女があった。寒そうに髱立っていた。巨大....
安吾の新日本地理」より 著者:坂口安吾
とをひそかに考えてみることなどを愉しんだのである。 街へ散歩にでたら、百貨店の飾り窓に甚しく私の気に入ったステッキがあった。秋田産のカバハリというステッキだっ....
雷門以北」より 著者:久保田万太郎
本児童文庫」と「小学生全集」の尨大な広告を見出したとき、これも古い酒店さがみやの飾り窓に映画女優の写真の引伸しの飾られてあるのを見出したとき、そうして本願寺の、....
本所両国」より 著者:芥川竜之介
も知れない。けれども「泰ちゃん」はどうしているであらう? 僕は幾つも下駄の並んだ飾り窓の前にたたずんだまま、そっと店の中へ目を移した。店の中には「泰ちゃん」のお....