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餅を搗く
「餅を搗く〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
餅を搗くの前後の文節・文章を表示しています。該当する7件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「夢十夜」より 著者:夏目漱石
りだから、ちょっと様子が見たい。けれども粟餅屋はけっして鏡の中に出て来ない。ただ
餅を搗く音だけする。 自分はあるたけの視力で鏡の角《かど》を覗《のぞ》き込むよ....
「綺堂むかし語り」より 著者:岡本綺堂
人たちは呟いていた。 もう一つの近所迷惑は、かの餅搗きであった。米屋や菓子屋で
餅を搗くのは商売として已むを得ないが、そのころには俗にひきずり餅というのが行なわ....
「みみずのたはこと」より 著者:徳冨健次郎
、海の様な響が武蔵野に起って、人の心を遠く遠く誘うて行く。但東京の屋敷に頼まれて
餅を搗く家や、小使取りに餅舂きに東京に出る若者はあっても、村其ものには何処に師走....
「十二支考」より 著者:南方熊楠
く濁る。その家今もむした餅を搗《つ》かず、搗けば必ず餅に血が雑《まじ》るのでひき
餅を搗く。蚊帳は現存す(同上一巻二号一一七頁、吉川泰人氏報)。 『甲子夜話』続一....
「夜の靴」より 著者:横光利一
はどこの家の板の間にも転がり、白菜の見事な葉脈の高く積っているあたりから、刈上げ
餅を搗く杵音がぼたん、ぼたん、と聞える。白む大根の冴えた山肌、濡れた樹の幹―― ....
「大菩薩峠」より 著者:中里介山
吹き出す、力持の女の便々《べんべん》たる腹の上で大の男が立臼《たちうす》を据えて
餅を搗く、そんなような絵が幾枚も幾枚も並べられてある真中のところに、 「所作事《....
「河伯令嬢」より 著者:泉鏡花
なか腰が伸せません。二度も三度も折重って、摺り落ちて、しまいには、私がどしんと尻
餅を搗くと、お優さんは肩に縋った手を萎えたように解いて、色っぽくはだけた褄と、男....