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餅屋
「餅屋〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
餅屋の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「東海道五十三次」より 著者:岡本かの子
ない私はこころの弾《はず》む思いがあった。 まだ、戸の閉っている二軒のあべ川|
餅屋《もちや》の前を通ると直ぐ川瀬の音に狭霧《さぎり》を立てて安倍川が流れている....
「半七捕物帳」より 著者:岡本綺堂
つづいて来た。二人の報告を綜合すると、入墨者のお此は江戸へ舞い戻って、浜川の塩煎
餅屋の二階に住んでいる。彼女は小間物類の箱をさげて、品川の女郎屋へ出商《であきな....
「半七捕物帳」より 著者:岡本綺堂
七はいい加減に挨拶して早々にここを出た。出て見ると、いつの間に来たか知らず、塩煎
餅屋の前に子供をあつめて、唐人飴の男が往来でカンカンノウを踊っていた。彼は型のご....
「雛がたり」より 著者:泉鏡花
寂しい屋敷町を抜けたり、大川の堤防を伝ったりして阿部川の橋の袂へ出て、俥は一軒の
餅屋へ入った。 色白で、赤い半襟をした、人柄な島田の娘が唯一人で店にいた。 ....
「半七捕物帳」より 著者:岡本綺堂
だのですが……。なんでもひと月ほど前の事だそうで、門前町のはずれに住んでいる塩煎
餅屋のおかみさんが、茗荷谷の方へ用達しに出ると、その途中で花星のお住を見かけたの....
「中国怪奇小説集」より 著者:岡本綺堂
を見る夜があった。あるときは何処かで赤児の啼く声を聞くこともあった。 街に近い
餅屋へ毎日餅を買いに来る女があって、彼女は赤児をかかえていた。それが毎日かならず....
「売色鴨南蛮」より 著者:泉鏡花
の北の方、目の下、一雪崩に崕になって、崕下の、ごみごみした屋根を隔てて、日南の煎
餅屋の小さな店が、油障子も覗かれる。 ト斜に、がッくりと窪んで暗い、崕と石垣の....
「木の子説法」より 著者:泉鏡花
、狸穴、我善坊の辺だけに、引潮のあとの海松に似て、樹林は土地の隅々に残っている。
餅屋が構図を飲込んで、スケッチブックを懐に納めたから、ざっと用済みの処、そちこち....
「南地心中」より 著者:泉鏡花
売っている娘だそうです。いい娘ですね。」 それは初阪がはじめて聞く。 「そう、
餅屋の姉さんかい……そして何だぜ、あの芝居の厠に番をしている、爺さんね、大どんつ....
「沼夫人」より 著者:泉鏡花
、ちとしっかりしないかい。串戯じゃない、病気になる。 そんなのが嵩じると、何も
餅屋がって、ここで病名は申さんがね、起きている真昼間でも目に見えるようになる。そ....
「星女郎」より 著者:泉鏡花
地体、一軒家を買取った者というのも、猿じゃ、狐じゃ、と申す隙に、停車場前の、今、
餅屋で聞くか、その筋へ出て尋ねれば、皆目知れぬ事はござるまい。が、人間そこまでは....
「霊界通信 小桜姫物語」より 著者:浅野和三郎
光りが、室全体に漲って居りました。『これなら精神統一がうまくできるに相違ない。』
餅屋は
餅屋と申しますか、私は矢張りそんなことを考えるのでした。 ものの二|丁ば....
「廿九日の牡丹餅」より 著者:岡本綺堂
り、粉屋では黄粉を売切ってしまった。自分の家でこしらえる事の出来ないものは、牡丹
餅屋へ買いに行くので、その店もまた大繁昌であった。 「困ったね。どうしたらよかろ....
「卵塔場の天女」より 著者:泉鏡花
しさ。 ――あとで知ったが、その言当てた男は、何とか云う、小説家だったって――
餅屋は
餅屋だと思ったよ。―― そんな脂切ったのがあるかと思うと、病上りの蒼っし....
「娘」より 著者:岡本かの子
前九時頃の明るさを見せて来た隅田川の河づらを覗いた。 「蓑ちゃん、長命寺のさくら
餅屋知ってる」 「ああ知ってるよ。向う河岸の公園出てすぐだろ」 「じゃ、一人で白....