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餅搗き
「餅搗き〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
餅搗きの前後の文節・文章を表示しています。該当する11件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「三浦老人昔話」より 著者:岡本綺堂
餅を食わせる。手習の師匠であれば、たなばた祭もする。煤はらいには甘酒をのませる、
餅搗きには餅を食わせるというのですから、師匠は相当の物入りがあります。それで無月....
「綺堂むかし語り」より 著者:岡本綺堂
草紙屋を見てあるいて、とうとう芝まで行ったことがあった。 歳の市を観ないでも、
餅搗きや煤掃きの音を聞かないでも、ふところ手をして絵草紙屋の前に立ちさえすれば、....
「夜明け前」より 著者:島崎藤村
こうなると、流言の影響も大きかった。村では時ならぬ年越しのしたくで、暮れのような
餅搗きの音が聞こえて来る。松を立てた家もちらほら見える。「そえご」と組み合わせた....
「夜明け前」より 著者:島崎藤村
をあけたところに築いてある土竈からはさかんに枯れ松葉の煙のいぶるような朝が来た。
餅搗きの時に使う古い大釜がそこにかかった。日ごろ出入りの百姓たちは集まって来て竈....
「みみずのたはこと」より 著者:徳冨健次郎
きのあとに大妓小妓のぐったりとして欠伸を噛む一月末が、村の師走の煤掃き、つゞいて
餅搗きだ。寒餅はわるくならぬ。水に浸して置いて、年中の茶受、忙しい時の飯代り、多....
「笑われた子」より 著者:横光利一
研ぎ終ると軒へ廻って、積み上げてある割木を眺めていた。それからまた庭に這入って、
餅搗き用の杵を撫でてみた。が、またぶらぶら流し元まで戻って来ると俎を裏返してみた....
「夜の靴」より 著者:横光利一
壁の半円を描いた虹に収穫を飾られた大空の美しさ。本家の参右衛門の家では、夕暮から
餅搗きをやり出した。例の鳥の巣の祝いである。大力の天作が搗くのでたちまち一臼が出....
「湯ヶ島の数日」より 著者:宮本百合子
泉宿らしくなくさっぱりしてよろし。部屋もよし。但、二部屋とれるかどうかは疑問だ。
餅搗きの音がした。 十二月二十八日 目が醒めると、隣に尺八を吹く人あり。少し悲....
「一商人として 」より 著者:相馬愛蔵
べる。それを終って帯を解かずに床に入り、どうにかうとうとする頃には、工場で起きて
餅搗きがはじまる。どしんどしん震動が夜の空気をふるわして枕にひびく。それもしまい....
「周防石城山神籠石探検記」より 著者:喜田貞吉
明治四十二年十二月三十日、世間では年末だ師走だと
餅搗きやら懸取りやらに忙しく騒いでいる中を東京帝国大学の嘱によって石城山神籠石探....
「木綿以前の事」より 著者:柳田国男
だかと思うが、そうでないまでも元の用法は、米を大量に精げるための杵であって、後に
餅搗きにこれを転用したことは、今でも餅臼が是と不釣合に小さいのを見てもわかる。横....