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「養い〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

養いの前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
世界怪談名作集」より 著者:アンドレーエフレオニード・ニコラーエヴィチ
マルタも彼を見捨てて去ったからである。 マルタは自分のいないあかつきには、兄を養い、兄を憫れむ者も無いことを思うと、兄を捨てて去るに忍びなかったので、その後も....
最終戦争論」より 著者:石原莞爾
倍ぐらいの食料が製造できる。また豚や鶏を飼う代りに、繁殖に最も簡単なバクテリヤを養い、牛肉のような味のするバクテリヤや、鶏肉の味のバクテリヤ等を発見して、極めて....
活人形」より 著者:泉鏡花
亭主を見送りもせざりける。 得右衛門を始めとして四人の壮佼は、茶碗酒にて元気を養い一杯機嫌で立出でつ。惜しや暗夜なら松明を、点して威勢は好からんなど、語り合い....
清心庵」より 著者:泉鏡花
に荒れ果てさして、霊地の跡を空しゅうせじとて、心ある市の者より、田畑少し附属して養いおく、山番の爺は顔|丸く、色|煤びて、眼は窪み、鼻|円く、眉は白くなりて針金....
照葉狂言」より 著者:泉鏡花
かれたる。この住居は狭かりけれど、奥と店との間に一の池ありて、金魚、緋鯉など夥多養いぬ。誰が飼いはじめしともなく古くより持ち伝えたるなり。近隣の人は皆年久しく住....
鷭狩」より 著者:泉鏡花
がきっぱり言った。 「身を切られるより、貴方の前で、お恥かしい事ですが、親兄弟を養いますために、私はとうから、あの旦那のお世話になっておりますんです。それも棄て....
去年」より 著者:伊藤左千夫
え社会が僕らに対して何らの敬意を払わないにしても、事実において多くの社会後継者を養いつつあるのだから、ずいぶんいばってもよいだろう……。 そんな調子に前夜は空....
南半球五万哩」より 著者:井上円了
だし。赤子はこれを獣皮にて包む。その形、エジプトのミイラに似たり。平素トナカイを養いて生活す。実に太古の遺民なり。途中、あおばえに苦めらる。暑気七十四、五度に上....
迷信解」より 著者:井上円了
かうものは京都の伏見稲荷より受けきたりて、その家に飼い養うものとのこと。かくして養いおけば、よく人の既往を説き未来を告ぐるに、不思議にも当たらぬことはない。常に....
あゝ二十年」より 著者:上村松園
でただ今いっぱいでございます。私はこれからゆっくりと一と息して、ゆるやかに神気を養い、更に私の画業の楽しみをつづけてゆこうかと考えています。....
三十年前の島田沼南」より 著者:内田魯庵
教会の奥に隠れたキリスト教婦人が街頭に出でて活動し初めた。九十の老齢で今なお病を養いつつ女の頭領として仰がれる矢島楫子刀自を初め今は疾くに鬼籍に入った木村|鐙子....
続獄中記」より 著者:大杉栄
ればかりではない、僕の今日の教養、知識、思想性格は、すべてみな、その後の入獄中に養いあげられ、鍛えあげられたと言ってもよい。二十二の春から二十七の暮れまでの獄中....
ガルスワーシーの家」より 著者:岡本かの子
つき出した。 ――私達はマホメットの宗教を信じ剣を以って邪を払い、詩を以って心を養います」 宮坂はまたしても此の高飛車なまぜっかえしのような返答に逢ってちょっ....
金魚撩乱」より 著者:岡本かの子
うに恐怖の感情を眼の色に迸らした。その無技巧の丸い眼と、特殊の動作とから、復一の養い親の宗十郎は、大事なお得意の令嬢だから大きな声ではいえないがと断って、 「ま....
富士」より 著者:岡本かの子
もたちは父親の翁に似て山が好きだった。その性分の上にあけ暮れ馴染む山は、はじめは養いの親であり、次には師であり、年頃になれば睦ぶ配偶でもあった。老年には生みの子....