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「養液〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

養液の前後の文節・文章を表示しています。該当する11件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
南路」より 著者:宮本百合子
激しく人間を圧迫する。南方の強烈な熱と、ミシシッピイ附近の豊饒な水分とが、特異な養液を根に送って、植物は皆、自身の感情と情慾を意識する動物のように見えるのである....
人造人間」より 著者:平林初之輔
について実験して見ようと思いたったのでした。私は、私自身の精虫をえらびました。培養液として選んだのは第二村木液と仮《かり》に私が命名している生理液です」 熱心....
愛は神秘な修道場」より 著者:宮本百合子
るようなことはなく、却って酵母としてそれを暖め反芻し、個人の生活全般を豊富にする養液にしてしまいます。 また恋愛は、独特な創造力を持っているとも思われます。恋....
われを省みる」より 著者:宮本百合子
押し、種々な力の牴触を経て、しっくりと或る処に真から落付く。それから徐ろに周囲の養液を吸収し、整理し、発育して、自己の本質的な営みというものを明かにして行く。勿....
海辺小曲(一九二三年二月――)」より 著者:宮本百合子
隠密な歩調を知ろうとする私《わたくし》とは 双手を開き 空を仰いで 意味ある天の養液を 四肢 心身に 普く浴びようとするのだ。 ....
獄中への手紙」より 著者:宮本百合子
、あなたが云われることも、私は自分の生活の成長のため、昨今は他から殆ど一滴もない養液として、ありがたく頂きます。 元より、ユリのそういうやわな面とあちらの生活....
現代小説展望」より 著者:豊島与志雄
ら生れるものは枯渇した記述に過ぎなくなる。現実の豊満さを具えていたものが、やがて養液を失って干乾びた死屍に過ぎなくなる。作家自身、心意の熱を失ってくるからだ。 ....
文学への実感について」より 著者:豊島与志雄
て生活の推進力となり、比喩的に云えば、生活から咲き出した花ではなくて生活を育てる養液となり、更に云えば、あったこと若しくはあることの表現ではなく、あるべきこと若....
ジャン・クリストフ」より 著者:豊島与志雄
為のうちに用いないで、愛と知能とのうちに注いでいた。彼は自分の実質で生きるだけの養液をもっていなかった。彼は葛《かずら》であって他物にすがらなければならなかった....
ジャン・クリストフ」より 著者:豊島与志雄
た。そしてしだいに、ふたたび心が鎮《しず》まってきて、胎内に熟してる生きた果実の養液と夢とのうちに、樹木のように官能が鈍ってきた。その果実は、どういうものになる....
レ・ミゼラブル」より 著者:豊島与志雄
まわりに開いて香気を送り、彼らはその魂を開いて花の間にひろげた。放逸強健な植物は養液と陶酔とに満たされて無垢《むく》なふたりのまわりに身を震わし、ふたりは樹木も....