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「養父〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

養父の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
偸盗」より 著者:芥川竜之介
ん》を次郎に奪われるという恐れは、ようやく目の前に迫って来た。あの女が、――現在養父にさえ、身を任せたあの女が、あばたのある、片目の、醜いおれを、日にこそ焼けて....
半七捕物帳」より 著者:岡本綺堂
た岡っ引の吉五郎は、わたしが「半七捕物帳」でしばしば紹介した彼《か》の半七老人の養父である。....
半七捕物帳」より 著者:岡本綺堂
ようかと、半七は思った。 外神田に万屋《よろずや》という蝋燭問屋がある。そこは養父の代から何かの世話になって、今でも出入りをしている店であるので、半七はその前....
半七捕物帳」より 著者:岡本綺堂
、すぐに手帳を出さないで下さい。これはわたくしの若い時分のことで、後にわたくしの養父となった神田の吉五郎が指図をして、わたくしは唯その手伝いに駈け廻っただけの事....
三人の双生児」より 著者:海野十三
向うでも永く離したがらないので、四五日滞在したら、なるべく早く帰郷するようにと、養父の銀平氏から頼まれて来たというのであった。 妾は気味のわるいほど実に自分に....
金魚撩乱」より 著者:岡本かの子
って来た駄金魚を、何か実用的な木っ葉か何かのように思っていた。 もっとも復一の養父は中年ものだけに、あまり上等の金魚は飼育出来なかった。せいぜい五六年の緋鮒ぐ....
半七捕物帳」より 著者:岡本綺堂
った。根がおとなしい人間ですから、清七はくやしさが胸いっぱい、もう一つには近ごろ養父や養母の機嫌を損じて、まかり間違えば離縁になるかも知れないと云うようなことも....
探偵夜話」より 著者:岡本綺堂
、上原という男はことし卅一で、女房もあれば子供もある。ことに養子の身分で、家には養父も養母も達者である。そういう窮屈な身分で土地の芸妓と深い馴染みをかさねたので....
歯車」より 著者:芥川竜之介
歩いているうちにふと遠い松林の中にある僕の家を思い出した。それは或郊外にある僕の養父母の家ではない、唯僕を中心にした家族の為に借りた家だった。僕はかれこれ十年|....
魚妖」より 著者:岡本綺堂
書きなども一通りは出来るのを主人に見込まれて、そこの家の養子になった。そうして、養父と一緒に鰻の買出しに千住へも行き、日本橋の小田原町へも行った。 ある夏の朝....
小坂部姫」より 著者:岡本綺堂
直の甥であるが幼い頃から叔父の養い子になっていた。ことし二十一歳の若者で、武勇は養父にも劣らない上に、その威勢を嵩にきて何事も思うがままに振舞っている。彼の館も....
註文帳」より 著者:泉鏡花
察に因って救うべからずと決した時、次の室に畏っていた、二上屋藤三郎すなわちお若の養父から捧げられたお若の遺書がある。 橘は取って披見した後に、枕頭に進んで、声....
卵塔場の天女」より 著者:泉鏡花
口は蛇体や、鬼でしたぞね。それは邪慳な慾張りや。……少しは人情らしいもののあった養父の方が――やっぱりどこまでも私の不幸や――早く死んでからというものは、子守で....
深夜の客」より 著者:大倉燁子
ことの苦痛に、もはや堪えられなくなってしまいました。 私の亡き父と無二の親友の養父が、突然両親に死別し孤児になった私を引取って、今日まで育てて下すった御恩、そ....
消えた霊媒女」より 著者:大倉燁子
常は大して気にならないのが、急に心配になり出しました。母に似て美しく生れた上に、養父母に非常に愛せられ、軈てあの巨万の富を受け継いで男爵夫人となる輝かしい前途を....