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「養父母〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

養父母の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
あらくれ」より 著者:徳田秋声
。そして死んだ彼の懐《ふとこ》ろに、小判の入った重い財布があった。それをそっくり養父母は自分の有《もの》にして了《しま》ったと云うのであった。お島はその説の方に....
運命論者」より 著者:国木田独歩
だや》かに過《すぎ》たのです。養父も秘密を明けて却《かえ》って安心した様子、僕も養父母の高恩を思うにつけて、心を傾けて敬愛するようになり、勉学をも励むようになり....
こころ」より 著者:夏目漱石
彼は医者にはならない決心をもって、東京へ出て来たのです。私は彼に向って、それでは養父母を欺《あざむ》くと同じ事ではないかと詰《なじ》りました。大胆な彼はそうだと....
道草」より 著者:夏目漱石
放し飼の鳩《はと》をどうしても宅《うち》へ持って帰るのだと主張してやまなかった。養父母の寵《ちょう》を欲しいままに専有し得《う》る狭い世界の中《うち》に起きたり....
ふもれすく」より 著者:辻潤
総の海岸にオイテキボリをくわしたのであった。 幸運なる流二君は親切にも無教育な養父母の手に養われて目下プロレタ生活修業中であるが、上総ナマリのテコヘンなるアク....
名人長二」より 著者:三遊亭円朝
を葬うため、紀州の高野山へ供養塔を建立し、また相州足柄郡湯河原の向山の墓地にも、養父母のため墓碑を建てゝ手厚く供養をいたしました。右様の事がなくとも、長二郎の名....
新釈諸国噺」より 著者:太宰治
て、実際こんな工合いに騒がしく悋気を起されてみると、あまりいい気持のものでない。養父母の気にいられようと思って、悋気の強い女房こそ所望でございます、などと分別顔....
小公女」より 著者:菊池寛
子を、うまい具合に手離すことが出来たので、大よろこびだったらしいですよ。すると、養父母達は、あとかたも見せず行方をくらましてしまったわけさ。」 「だが、君は、そ....
歯車」より 著者:芥川竜之介
歩いているうちにふと遠い松林の中にある僕の家を思い出した。それは或郊外にある僕の養父母の家ではない、唯僕を中心にした家族の為に借りた家だった。僕はかれこれ十年|....
街はふるさと」より 著者:坂口安吾
す。ぼくは棄て子なんです。ぼくの名も、拾って育ててくれた人がつけてくれたのです。養父母は三月十日の空襲で死にました」 その来歴はかねて長平もきき知っていた。し....
明治開化 安吾捕物」より 著者:坂口安吾
買物を命じた。しかし、左近は幸平の銀行へ現れたことはなかったのである。 幸平の養父母は他界して、彼が一人のこされたが、十七の若年から銀行員となった彼は二十の年....
フランケンシュタイン」より 著者:シェリーメアリー・ウォルストンクラフト
わからなかった。財産は没収され、子どもは天涯の孤児となつた。その子がずっと今まで養父母のもとにいたわけで、葉の黒ずんだ茨のあいだにある花園の薔薇よりも美しく、こ....
暴風雨の夜」より 著者:小酒井不木
上もない不幸ですが、信之に取っては思わぬ幸運が来たものといわねばなりません。彼は養父母を失うと、それまで勤めて居た会社をやめて家にひっこんでぶらぶら暮して居まし....
消えた霊媒女」より 著者:大倉燁子
常は大して気にならないのが、急に心配になり出しました。母に似て美しく生れた上に、養父母に非常に愛せられ、軈てあの巨万の富を受け継いで男爵夫人となる輝かしい前途を....
猪の味」より 著者:北大路魯山人
、牛肉の時には三銭買い、五銭持った時には猪を買いにやらされたところをみると、私の養父母も、どうやら美食を愛した方だったのだろうと、今にして思うのである。 西も....