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養育費
「養育費〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
養育費の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「或る女」より 著者:有島武郎
ければならないのだから。葉子の懐中には百五十ドルの米貨があるばかりだった。定子の
養育費だけでも、米国に足をおろすや否や、すぐに木村にたよらなければならないのは目....
「鼻」より 著者:ゴーゴリニコライ
りましてね、特に長男は大いに見込みのある奴です、なかなか利巧な小伜でして。だが、
養育費にはまったく手を焼きます……」 巡査の立ち去った後もなおしばらく、八等官....
「青春の逆説」より 著者:織田作之助
から取りはじめるのはなんとしても惜しいと、いろいろ考えたあげく、子供の時分からの
養育費を取るべきだという結論に達した。しかし、さすがの安二郎もそれは余り残酷だと....
「世相」より 著者:織田作之助
中だったのです。その時女は、私は夫に死に別れ、叔母の所に預けてある九歳になる娘に
養育費を送るために、こういう商売をしているのだと言いましたので、非常に気の毒に思....
「野狐」より 著者:田中英光
や幼い子供たちを、姉の家の近くの、長兄の家に追いやってしまった。そして子供たちの
養育費は出すが、妻は家政婦として働かせるようにした。 私は妻の泣き顔をみたよう....
「爛」より 著者:徳田秋声
たまにそこへやって来るのであったが、それは単に三月とか四月とかの纏まった生活費と
養育費とを渡しに来るだけに止まっていた。女は長いあいだ頑な独身生活を続けて来た。....
「カラマゾフの兄弟」より 著者:ドストエフスキーフィヨードル・ミハイロヴィチ
。フョードル・パーヴロヴィッチと手紙で交渉をしてみると、この男からはとても実子の
養育費を引き出せないことがわかったので(もっとも、相手はけっしてあからさまには断....
「我が人生観」より 著者:坂口安吾
ことに躊躇はしない。このことは、女房に子供が生れたところで変りはない。私は子供の
養育費と、女房の生活費に換算して支払う。税務署の支払いには応じなくとも、女房や子....
「可愛い女」より 著者:神西清
働いたので夫婦わかれをして、現ざい彼はもとの細君を憎み抜いていながら、月々息子の
養育費として四十ルーブルの仕送りをしていた。といった身の上話に聴き入りながら、オ....
「ノンシャラン道中記」より 著者:久生十蘭
た。 この賞金合計八百五十|法《フラン》のうち、四百法だけを今日までの子供らの
養育費として受け取り、残りの四百五十法は、今日以来八人の子供を扶養することになっ....
「火夫」より 著者:カフカフランツ
いありません。幸いなことに、と私はいわないわけにまいりません。というのは、両親は
養育費の支払いとか自分たちの身にまで及ぶそのほかのスキャンダルとかを避けるために....
「死者の権利」より 著者:浜尾四郎
でした。 私はいよいよ来たな、と思いました。勿論手切金の問題です。それと子供の
養育費です。ただどの位小夜子が申し出して来るかということは一寸わかりませんでした....
「ワーニャ伯父さん」より 著者:神西清
てもいるし、できるだけは援助もしてやっている。あれと好きな男のあいだにできた娘の
養育費に、わたしは財産を投げ出してしまったんだよ。そのため、わたしは不仕合せにゃ....
「濹東綺譚」より 著者:永井荷風
遠藤某をして後の始末をつけさせた。其条件は光子が無事に産をしたなら二十個年子供の
養育費として毎月五拾円を送る。其代り子供の戸籍については主家では全然|与《あずか....
「無月物語」より 著者:久生十蘭
ろうと見こみ、嫁資のほかに自分の身につくものをこっそり持ってきたので、子供たちの
養育費はすべてその土地のあがりから出していた。 それはよかったが、子供たちが大....