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養魚
「養魚〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
養魚の前後の文節・文章を表示しています。該当する14件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「まざあ・ぐうす」より 著者:北原白秋
いります。 豆こぞう 豆んちょの家《うち》の、 豆んちょのこぞうっこ、 よその
養魚池《かいぼり》へおしかけて、 魚《さかな》をぴんぴとつりあげた。 ソロモン....
「金魚撩乱」より 著者:岡本かの子
金魚は、たちまち更に二割の値上げをしても需要に応じ切れなくなった。 下町方面の
養魚池はほとんど全滅したが、山の手は助かった。それに関西地方から移入が出来るので....
「綺堂むかし語り」より 著者:岡本綺堂
は私も同感である。しかもそれは昔のことで、江戸前ようやくに亡び絶えて、旅うなぎや
養魚場生まれの鰻公が到るところにのたくる当世と相成っては、「比類あるべからず」も....
「田舎教師」より 著者:田山花袋
いて行くかれの眼にうつった。ライオンの前ではそれでも久しく立ちどまって見ていた。
養魚室の暗い隧道の中では、水の中にあきらかな光線がさしとおって、金魚や鯛などが泳....
「鬼涙村」より 著者:牧野信一
郎と松二郎。お次は狐が一つ、鳥居前の堀田忠吉。――いいですか、お次は天狗が大小、
養魚場の宇佐見金蔵……」 御面師は節をつけてそれぞれの宛名を私に告げるのであっ....
「怪星ガン」より 著者:海野十三
の栽培法が行なわれているためである。おなじ階に、ひろびろとした牧場があった。また
養魚場があった。どっちも三根夫をたいへんおどろかせた。というのは、牧場には、牛や....
「社会時評」より 著者:戸坂潤
造は、こうした仲々年数もかかり価格も大きい投資の結果であるのだが、それも養狐場や
養魚場のように、一目瞭然とした装置の下に行われると、誰も誤解をしないのだが研究室....
「百姓弥之助の話」より 著者:中里介山
で用心にはなる。 なお、この辺では狐を飼っている処も、狸を飼っている処もある、
養魚池もある、養蚕は全国的にも歴史を持つ地方である。いずれ、それ等の副業、自分が....
「ドナウ源流行」より 著者:斎藤茂吉
の寺院も霞んでいる。汽車が岸に沿うて走ると、汀の白き小石さざれが見える。それから
養魚池。豚と其の児ども、枯葉をもやしているところ、犬が桟橋を下ってゆくところ、そ....
「山上湖」より 著者:豊島与志雄
てとめた。 梯子のそばをぬけて、道路に出た。 道路の片側に、小さな溝があり、
養魚池から来る水がちょろちょろ流れている。この僅かな水流にまで、鱒はさか上ってく....
「元八まん」より 著者:永井荷風
《こまつな》や葱《ねぎ》をつくっている。また方形の広い池を穿《うが》っているのは
養魚を業としているものであろう。 突然、行手にこんもりした樹木と神社の屋根が見....
「地異印象記」より 著者:和辻哲郎
なくなるところであったが、舟が小さいお蔭で波の荒い沖へ出ることができた。そうして
養魚場のあたりへ逃げて、数日の間食わず飲まずで暮らした。 日本橋、京橋の方は地....
「由布院行」より 著者:中谷宇吉郎
杯になる位沢山大きい鯉がいて、月明りの下で盛《さかん》に跳《おど》っていた。勿論
養魚場だろうと思っていたのに、今度来て見ると一匹もいない。聞けば、主《ぬし》のな....
「秋の鬼怒沼 」より 著者:木暮理太郎
にも気持がよい。人工を加えたもののように見えて全く自然の儘なのである。菖蒲ヶ浜の
養魚場の建物の附近も、元は殆どこの通りであったが、今は半以上も天然の面影を失って....