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餐
「餐〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
餐の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「河童」より 著者:芥川竜之介
こうには夫婦らしい雌雄《めすおす》の河童が二匹、三匹の子どもの河童といっしょに晩
餐《ばんさん》のテエブルに向かっているのです。するとトックはため息をしながら、突....
「たね子の憂鬱」より 著者:芥川竜之介
。ましてナイフを落した時には途方《とほう》に暮れるよりほかはなかった。けれども晩
餐《ばんさん》は幸いにも徐《おもむ》ろに最後に近づいて行った。たね子は皿の上のサ....
「或る女」より 著者:有島武郎
所があろうなどとからかった。
葉子に引き付けられたのは岡ばかりではなかった。午
餐《ごさん》が済んで人々がサルンに集まる時などは団欒《だんらん》がたいてい三つく....
「外科室」より 著者:泉鏡花
の上流社会全体の喜憂に関すべき、この大いなる責任を荷《にな》える身の、あたかも晩
餐《ばんさん》の筵《むしろ》に望みたるごとく、平然としてひややかなること、おそら....
「薄紅梅」より 著者:泉鏡花
七が、 「何だ、中味は芋※殻か、下手な飜訳みたいだね。」 「そういうなよ、漂母の
餐だよ。婆やの里から来たんだよ。」 「それだから焼芋を主張したのに、ほぐして入れ....
「歯車」より 著者:芥川竜之介
ことにした。それから或雑誌社へ電話をかけて金のことを相談した。 結婚披露式の晩
餐はとうに始まっていたらしかった。僕はテエブルの隅に坐り、ナイフやフォオクを動か....
「赤いくつ」より 著者:アンデルセンハンス・クリスチャン
てはならない、と申しわたしました。 その次の日曜は、堅信礼のあと、はじめての聖
餐式のある日でした。カレンははじめ黒いくつを見て、それから赤いくつを見ました。―....
「阿Q正伝」より 著者:井上紅梅
太太はまたこれを趙太爺に告げて一時すこぶる真面目になって話をしたので、趙太爺は晩
餐の卓上秀才太爺(息子)と討論した。阿Qは全くどうも少し怪しい。われわれの戸締も....
「寡婦」より 著者:秋田滋
こうして、毎日夕がたになると、身心ともに疲れはてて館へ帰って来るのだった。 晩
餐をすますと、彼らは、広間に集って、たいして興もなげにロト遊びをしていた。戸外で....
「式部小路」より 著者:泉鏡花
が不可ない。 日の暮方に、また、夕河岸の鰹、生鰹、鰯こ、鰯こい――伊太利じゃ晩
餐の朗々朗が聞えて、庭のコスモス、垣根の黄薔薇、温室の朝顔も一際色が冴えようとい....
「妖怪報告」より 著者:井上円了
に出務せり。とき三月一日なり。日課を終え、午後六時ごろ旅亭に帰り浴湯し、まさに晩
餐を喫せんとす。旅亭の下婢、左側の障子を開き、手に電報を持ち、予に告げて曰く、「....
「活人形」より 著者:泉鏡花
けども、日は傾きて影も射映ねば、少しも心着かざりけり。 泰助は旅店に帰りて、晩
餐の前に湯に行きつ。湯殿に懸けたる姿見に、ふと我顔の映るを見れば、頬の三日月|露....
「欧米各国 政教日記」より 著者:井上円了
、おのおの帳簿に記名して結婚を証す。その後、両人同車して新婦の父母の家に至りて朝
餐の席につく。その席には、両人の親戚、朋友、そのほか寺院の住職も列するなり。食事....
「西航日録」より 著者:井上円了
大学校を訪い、図らずも奥田早苗氏ほか三名の日本学生に面会するを得。五人相対して午
餐を喫し、終日日本談話の歓を尽くせり。 余が当地バルレー村に来たりしは、最初ロ....
「南半球五万哩」より 著者:井上円了
院、陳氏祖廟、富豪墓所等を一巡し、丘上なる鎮海楼(五層楼)上にのぼりて休憩し、小
餐を喫す。楼上にありて一望するに、カントン全市眼下にありて、街区は碁盤の目のごと....