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餓
「餓〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
餓の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「大導寺信輔の半生」より 著者:芥川竜之介
母に劣らなかった。それは一月五十銭の小遣いを一銭でも余計に貰った上、何よりも彼の
餓《う》えていた本や雑誌を買う為だった。彼はつり銭を落したことにしたり、ノオト・....
「第四の夫から」より 著者:芥川竜之介
ン・アアジシャのラッサに与えた名を知っているであろう。しかしラッサは必ずしも食糞
餓鬼《じきふんがき》の都ではない。町はむしろ東京よりも住み心の好《い》いくらいで....
「河童」より 著者:芥川竜之介
いのです。現にチャックは笑いながら、あざけるように僕に話しかけました。
「つまり
餓死《がし》したり自殺したりする手数を国家的に省略してやるのですね。ちょっと有毒....
「年末の一日」より 著者:芥川竜之介
ながら、前にもこう言う心もちを知っていたことを思い出した。それは僕の少年時代に或
餓鬼大将にいじめられ、しかも泣かずに我慢して家《うち》へ帰った時の心もちだった。....
「侏儒の言葉」より 著者:芥川竜之介
どの位我我の未来の上へ寂しい暗黒を投げかけたであろう。東京を焼かれた我我は今日の
餓《うえ》に苦しみ乍《なが》ら、明日の
餓にも苦しんでいる。鳥は幸いにこの苦痛を知....
「俊寛」より 著者:芥川竜之介
じごくへん》の画《え》からでも思いついたのでしょう。つまり鬼界が島と云う所から、
餓鬼《がき》の形容を使ったのです。なるほどその時の俊寛様は、髪も延びて御出《おい....
「或る女」より 著者:有島武郎
沈黙の中にくずれ込んでしまうのに、目前の貪婪《どんらん》に心火の限りを燃やして、
餓鬼《がき》同様に命をかみ合うとはなんというあさましい心だろう。しかもその醜い争....
「カインの末裔」より 著者:有島武郎
まで黒ずんで行くこちんとした寒い晩秋の夜が来た。
着物は薄かった。そして二人は
餓《う》え切《き》っていた。妻は気にして時々赤坊を見た。生きているのか死んでいる....
「小作人への告別」より 著者:有島武郎
動きのできなくなったものができたら、この農場にころがり込むことによって、とにかく
餓死だけは免れることができようとの、親の慈悲心から、この農場の経営を決心したらし....
「星座」より 著者:有島武郎
実際喰べたくもなかった。
けれども夜中になると、何んとしても我慢ができないほど
餓《ひも》じくなってきた。そっと女中部屋を出て、手さぐりで冷えきった台所に行って....
「追憶」より 著者:芥川竜之介
を持っている。徳ちゃんは確か総武鉄道の社長か何かの次男に生まれた、負けぬ気の強い
餓鬼大将だった。 しかし小学校へはいるが早いか僕はたちまち世間に多い「いじめっ....
「惜みなく愛は奪う」より 著者:有島武郎
ようとする厳しい欲求の為めに、私は敢えて私から出発して歩み出して行こう。 私が
餓えているように、或る人々は
餓えている。それらの人々に私は私を与えよう。そしてそ....
「宇宙の始まり」より 著者:アレニウススヴァンテ
では人の住んでいた土地を覆い、氷を免れた部分では収穫はだんだんに乏しくなった。飢
餓は人間を支配し彼らを駆って最も恐ろしい罪業に陥れた。『暴風時代』『斧と刀の時代....
「世界怪談名作集」より 著者:アンドレーエフレオニード・ニコラーエヴィチ
はまずおやめになった。 自分のからだをなおざりにし始めてから、ラザルスは殆んど
餓死せんばかりになっていたが、近所の者は漠然たる一種の恐怖のために彼に食物を運ん....
「野のはくちょう」より 著者:アンデルセンハンス・クリスチャン
でいました。やがて骨ばった指で、あたらしいお墓にながいつめをかけました。そうして
餓鬼のように、死がいのまわりにあつまって、肉をちぎってたべました。エリーザはその....