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餓える
「餓える〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
餓えるの前後の文節・文章を表示しています。該当する12件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「十二支考」より 著者:南方熊楠
らしく三年して死んだ、毎《いつ》も四這《よつばい》だが希《まれ》に直立し言語せず
餓える時は口に指した。ミュラーこのほか狼に養われた児の譚を多く挙げて結論に、すべ....
「海に生くる人々」より 著者:葉山嘉樹
ころがそれらの森林は国有林になってしまった。そこで、その村の者は、監獄へ行くか、
餓えるかという二つの道のどちらかを取るようにしいられた。小倉の生まれた村の小径《....
「母子叙情」より 著者:岡本かの子
っていた。かの女は、働くことに無力な一人の病身で内気な稚ない母と、そのみどり子の
餓えるのを、誰もかまって呉れない世の中のあまりのひどさ、みじめさに、呆れ果てた。....
「蒲団」より 著者:田山花袋
ありましたから、応じてみようと思います。二人して一生懸命に働きましたら、まさかに
餓えるようなことも御座いますまい。先生のお家にこうして居ますればこそ、先生にも奥....
「貞操について」より 著者:宮本百合子
法は思い当らなかった。餓えがはじまった。それでも二人は、離れなかった。離れるより
餓える方を選んだ。そして、いくつもの朝と夜とがすぎた。が、その小舎の前には、もう....
「夜叉ヶ池」より 著者:泉鏡花
を蔽うのじゃ。天を泣かせ、光を隠して、それで諸君は活きらるるか。稲は活きても人は
餓える、水は湧いても人は渇える。……無法な事を仕出して、諸君が萩原夫婦を追うて、....
「大菩薩峠」より 著者:中里介山
いに日が暮れました。
足の七兵衛は疲れるということを知らないが、腹の七兵衛は、
餓えるということを知っている。ああ、今夜もまた夜通し歩かねばならないのか。
歩....
「小公女」より 著者:菊池寛
たいになりかけていたのに。」 「餓えただって? 食べたいだけ食べさしてあるのに、
餓えるはずはないじゃないか。」 アメリア嬢は、へまな口を辷らしたと思って、おど....
「化鳥」より 著者:泉鏡花
ものを分けてやるので、誰といって、きまって世話をする、飼主はないのだけれど、猿の
餓えることはありはしなかった。 時々|悪戯をして、その紅雀の天窓の毛を※ったり....
「丹下左膳」より 著者:林不忘
膳、しずかにお藤をどかせて、きらめく一眼を源十郎の面上に射ながら、隻手はもう血に
餓える乾雲丸の鯉口《こいぐち》にかかっていた。
「おい、鈴川……」
と、たいら....
「俳優への手紙」より 著者:三好十郎
れを餓えさせることがあるものか。又事実、餓えた者はいないのだ。 「いや、それでも
餓える恐れがある」と言うならば、それを強いて事実を曲げようと意図する者か、又は殆....
「宮本武蔵」より 著者:吉川英治
い。自分はここを開拓して、農土に寄与するものと、ただ気概のみを高く抱いて、自分の
餓えるのを忘れていたが、その飢えは、この小さい者に依って、からくも凌がれているの....