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「餓鬼〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

餓鬼の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
第四の夫から」より 著者:芥川竜之介
ン・アアジシャのラッサに与えた名を知っているであろう。しかしラッサは必ずしも食糞餓鬼《じきふんがき》の都ではない。町はむしろ東京よりも住み心の好《い》いくらいで....
年末の一日」より 著者:芥川竜之介
ながら、前にもこう言う心もちを知っていたことを思い出した。それは僕の少年時代に或餓鬼大将にいじめられ、しかも泣かずに我慢して家《うち》へ帰った時の心もちだった。....
侏儒の言葉」より 著者:芥川竜之介
獄よりも地獄的である。地獄の与える苦しみは一定の法則を破ったことはない。たとえば餓鬼道の苦しみは目前の飯を食おうとすれば飯の上に火の燃えるたぐいである。しかし人....
俊寛」より 著者:芥川竜之介
じごくへん》の画《え》からでも思いついたのでしょう。つまり鬼界が島と云う所から、餓鬼《がき》の形容を使ったのです。なるほどその時の俊寛様は、髪も延びて御出《おい....
或る女」より 著者:有島武郎
沈黙の中にくずれ込んでしまうのに、目前の貪婪《どんらん》に心火の限りを燃やして、餓鬼《がき》同様に命をかみ合うとはなんというあさましい心だろう。しかもその醜い争....
カインの末裔」より 著者:有島武郎
童子連《わらしづれ》は何条《なじょう》いうて他人《ひと》の畑さ踏み込んだ。百姓の餓鬼《がき》だに畑のう大事がる道知んねえだな。来《こ》う」 仁王立《におうだ》....
追憶」より 著者:芥川竜之介
を持っている。徳ちゃんは確か総武鉄道の社長か何かの次男に生まれた、負けぬ気の強い餓鬼大将だった。 しかし小学校へはいるが早いか僕はたちまち世間に多い「いじめっ....
春昼」より 著者:泉鏡花
下、これは無理じゃて。 地獄の絵に、天女が天降った処を描いてあって御覧なさい。餓鬼が救われるようで尊かろ。 蛇が、つかわしめじゃと申すのを聞いて、弁財天を、....
紅玉」より 著者:泉鏡花
しました奥様のその指環を、掌に載せまして、凝と見ていましたのでございます。 紳士餓鬼め、其奴か。 侍女 ええ。 紳士 相手は其奴じゃな。 侍女 あの、私がわけを....
草迷宮」より 著者:泉鏡花
りゃあがる。」 小次郎再び化転して、 「あんな事を云うよ、お婆さん。」 「悪い餓鬼じゃ。嘉吉や、主あ、もうあっちへ行かっしゃいよ。」 その本体はかえって差措....
歌行灯」より 著者:泉鏡花
さて、杯をさしたばかりで、こう酌いだ酒へ、蝋燭の灯のちらちらと映る処は、どうやら餓鬼に手向けたようだ。あのまた馬鹿野郎はどうしている――」と膝に手を支き、畳の杯....
黒百合」より 著者:泉鏡花
ようで、楽ッたらないんだぜ。」 「それでまあよくお前さん体が何ともないね。浅草に餓鬼大将をやってお在の時とは違って、品もよくおなりだし、丸顔も長くなってさ、争わ....
野のはくちょう」より 著者:アンデルセンハンス・クリスチャン
でいました。やがて骨ばった指で、あたらしいお墓にながいつめをかけました。そうして餓鬼のように、死がいのまわりにあつまって、肉をちぎってたべました。エリーザはその....
葛飾砂子」より 著者:泉鏡花
、自我得仏来というはじめから、速成就仏身とあるまでを幾度となく繰返す。連夜の川施餓鬼は、善か悪か因縁があろうと、この辺では噂をするが、十年は一昔、二昔も前から七....
式部小路」より 著者:泉鏡花
そうかと思うと、そこいらの乞食小僧を、三人四人、むくんだ茄子のどぶ漬のような餓鬼を、どろどろと連込んで、食いねえ食いねえッて、煮ッころばしの湯気の立つお芋を....