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餓鬼道
「餓鬼道〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
餓鬼道の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「侏儒の言葉」より 著者:芥川竜之介
獄よりも地獄的である。地獄の与える苦しみは一定の法則を破ったことはない。たとえば
餓鬼道の苦しみは目前の飯を食おうとすれば飯の上に火の燃えるたぐいである。しかし人....
「大阪夏之陣」より 著者:菊池寛
せ、立ながら数椀喫せられ、食終て公舒々と諸軍に向い、最早皆々満腹すれば討死しても
餓鬼道へは堕ちず、死出の山を越して直ちに閻魔の庁に入るべし」と。この辺のいきさつ....
「斗南先生」より 著者:中島敦
出してしまった。まる三週間近く、水の他何にも摂《と》れないので、まるで生きながら
餓鬼道に堕ちたようなものであった。例の気象で、伯父はそれを、目をつぶってじっと堪....
「暗黒公使」より 著者:夢野久作
煙草を吸う人は皆経験しているであろうがこんな時には燐寸一本のために、大の男が
餓鬼道に墜ちるものである。私はもう本職の仕事を忘れてしまった真剣さで、そこいら中....
「獄中記」より 著者:大杉栄
めいめい別な大きな茶碗の中に円錐形の大きな塊に盛りあげられている飯を、大急ぎに、
餓鬼道の亡者というのはこんなものだろうと思われるように、掻きこみ始めた、どんぶり....
「松と藤芸妓の替紋」より 著者:三遊亭円朝
二日ぐらい食べぬ事が有りまして、又食べさして又たたた食べ……(泣沈む)何うもがゞ
餓鬼道のようでございますから瘠せます訳でございます」 豐「お母ちゃん、お飯が食べ....
「大菩薩峠」より 著者:中里介山
で組合を作って、竹槍を構えて待ちかけ、皆殺しにしてくれるという有様だから、全く、
餓鬼道修羅地獄さ。食い物がなくなると、政治も奉行もあったものではないじゃ。 だ....
「万葉秀歌」より 著者:斎藤茂吉
寺々の女餓鬼」というのは、その頃寺院には、画だの木像だのがあって、三悪道の一なる
餓鬼道を示したものがあったと見える。前に、「相思はぬ人を思ふは大寺の餓鬼のしりへ....
「金銭無情」より 著者:坂口安吾
たけりや待合とか然るべき場所へ行くことさ。僕のところぢや専ら中毒患者とギリギリの
餓鬼道で折衝してるんだから、アルコールの売買以外に風流のさしこむ余地有りやしない....
「開運の鼓」より 著者:国枝史郎
て見たが、もうそこには老女はいなかった。遙か離れた往来の人混みの中から鼓の音が、
餓鬼道の巷に彷徨っている血眼の人達の心の中へ平和と慰安と勇気とを注ぎ込もうとする....
「俊寛」より 著者:倉田百三
葉を吐き出す餓鬼のようなやつが。 俊寛 わしを殺せ。わしは死を願う。わしの境涯は
餓鬼道より少しもまさってはいない。 康頼 (成経と俊寛との間に身を投げる)あゝ、....
「前記天満焼」より 著者:国枝史郎
大塩中斎も、苦渋の表情をチラツカせた。 「拙者もそれを危惧ている。と云って目前の
餓鬼道を見遁しにしては置けないな」 「先生の御気象と致しましては、御理千万に存ぜ....
「明日は天気になれ」より 著者:坂口安吾
、戦争の貧乏は人々がそれを欲していないのに身にふりかかってきたことで、しかも全く
餓鬼道の底に達した貧苦であるから哀れである。 ちょうど太平洋戦争に突入する年の....
「二十六夜」より 著者:宮沢賢治
と飢渇《きかつ》の為《ため》に人にも鳥にも、親兄弟の見さかいなく、この世からなる
餓鬼道《がきどう》じゃ。その時疾翔大力は、まだ力ない雀でござらしゃったなれど、つ....
「ヒルベルト訪問記」より 著者:高木貞治
の証明等等を書かずには居られないでしょう.余生を楽しむなどは論外で,生きながらの
餓鬼道ではありませんか.恐ろしいのは,これも不治なる知識追求症です. さてNさ....