饑餓[語句情報] » 饑餓

「饑餓〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

饑餓の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
ゼーロン」より 著者:牧野信一
だに果し得ないのであるが、やがては屹度《きっと》決行するつもりでいる。――詩は、饑餓に面した明朗な野からより他に私には生れぬ。 「お前の、その背中の重荷の売却法....
光と風と夢」より 著者:中島敦
過とを説明した。自分が初め此の申出を断ろうかと思ったこと。それは、此の国が貧しく饑餓《きが》に脅されており、又、現在、彼等酋長達の家や部落が、長い間の主人の不在....
饑餓陣営」より 著者:宮沢賢治
卒一同再び倒る。 曹長(面《おもて》をあぐ。)「上官。私は決心いたしました。この饑餓陣営の中に於《お》きましては最早《もはや》私共の運命は定《さだ》まってありま....
中国怪奇小説集」より 著者:岡本綺堂
が出て来ました。周は泊めてもらいたいと頼むと、娘は言いました。 「家じゅうの者は饑餓に迫り、老人も子供もみな煩らっていますので、お気の毒ですがお客人をお通し申す....
災難雑考」より 著者:寺田寅彦
や肉類が無くなれば死滅しなければならないように、災難が無くなったらたちまち「災難饑餓」のために死滅すべき運命におかれているのではないかという変わった心配も起こし....
ビジテリアン大祭」より 著者:宮沢賢治
のである。換言《かんげん》すれば、この主張者たちは、世界人類の半分、則ち十億人を饑餓《きが》によって殺そうと計画するものではないか。今日いずれの国の法律を以《も....
『静かなる愛』と『諸国の天女』」より 著者:宮本百合子
すぎる生活の荷にひしがれて病気を発することも、その病気のために働きを休めば一家は饑餓にさらされることから遂に倒れてのち已む決心で働きとおす哀切な強い精神を持つ少....
歌声よ、おこれ」より 著者:宮本百合子
。 自由という名は耳と心に快くひびくが、食糧事情の現実は、わたしどもの今日に、饑餓と大書してそびえ立っている。開放と不安との間に、橋の架けかたを知らされずに近....
現実に立って」より 著者:宮本百合子
、監視的なこころもちを抱いている。それは、本当に当然なことではなかろうか。今日の饑餓と社会生活全面の破綻をもたらした戦争について、人民を其処へ追い込むまいと献身....
クリスマス・カロル」より 著者:ディケンズチャールズ
も知れないのだぞ! おお神よ、草葉の上の虫けらのような奴が、塵芥の中に蠢いている饑餓に迫った兄弟どもの間に生命が多過ぎるなぞとほざくのを聞こうとは!」 スクル....
世界怪談名作集」より 著者:岡本綺堂
そばには、またひとりの子供がうずくまっていた。子供はみじめな穢い姿で、その頬には饑餓の色がただよい、その眼には恐怖の色が浮かんでいた。 老婆は手紙を読んでいる....
妾の半生涯」より 著者:福田英子
を罰するを知れり、乞い問う、罪を贖《あがな》い得たる者を救助するの法ありや、再び饑餓《きが》の前に晒《さら》して、むしろ監獄の楽しみを想わしむることなきを保《ほ....
開運の鼓」より 著者:国枝史郎
然自然に柔らげられた。父の性格を受け継いで豪放濶達の彼ではあったが打ち続く貧困と饑餓のためにこの日頃心は平和を失い、読んでいる書物の文字の意味さえ呑み込めないま....
母と娘」より 著者:岡本かの子
お母様や私共は本当に戦争の惨忍さを、まざまざ味わわされたのです。● 女達は不安と饑餓で死にそうでした。夫は右足を砲弾の破片で傷けられ、切断されて一度帰って来まし....
仏教人生読本」より 著者:岡本かの子
水は苗をひたひたと浸し成長の果を生じさせます。 夏の田草取り。秋の鳥追い。雀が饑餓という因により、羽翼の羽ばたきという縁によって稲田のところへ飛んで来て、稲穂....