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首っ引き
「首っ引き〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
首っ引きの前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「銀河鉄道の夜」より 著者:宮沢賢治
ニが云《い》いました。 「蝎《さそり》の火だな。」カムパネルラが又《また》地図と
首っ引きして答えました。 「あら、蝎の火のことならあたし知ってるわ。」 「蝎の火....
「灯台鬼」より 著者:大阪圭吉
小さな入り海をへだてて仲よく暮している関係から――などというよりも、毎日顕微鏡と
首っ引きで、魚の卵や昆布の葉質と睨めッくらをしているような味気ないわたし達の雰囲....
「自叙伝」より 著者:大杉栄
トがついていた。僕はまだ碌に発音もできないうちから、そのノートと大きな仏和辞書と
首っ引きで、一人で進んで行った。そして二学期か三学期かの初めに、原書の辞書を渡さ....
「大菩薩峠」より 著者:中里介山
い》ないし――お地蔵様と相乗りというわけにもゆくめえし」 腕を組んでお地蔵様と
首っ引きに頻《しき》りに考えていましたが、 「おおそうだ、そうだ」 にわかに両....
「大菩薩峠」より 著者:中里介山
なく、昼となく、うつらうつらと眠るのでありました。覚めた時は書物と実物とを向うに
首っ引きでありました。 今も疲れて能登守は、椅子に深く身体を埋めて眠っていまし....
「写生紀行」より 著者:寺田寅彦
自然」の草木が美しく、それに戸外が寒くなくていい時候に、室内の「|死んだ自然」と
首っ引きをするのももったいないような気がした。静物ないし自画像などは寒い時のため....
「映画雑感(Ⅱ)」より 著者:寺田寅彦
連れて行く、その椋鳥のタイプとか、パリ遊覧自動車の運転手とか案内者とか、ベデカと
首っ引きで、シャンゼリゼーをシャンセライズと発音する英国老人とかいうのがそれであ....
「泣虫小僧」より 著者:林芙美子
って教室に這入って行った。 びゅうびゅう口笛を吹く者や、唱歌をうたう者、読本と
首っ引きの者、復習をしてなかったと、泣きそうになっている者や、まるで教室は豆が弾....
「大菩薩峠」より 著者:中里介山
米友の友造が貸金を集めに行ったあとでも、忠作はなお一生懸命に算盤《そろばん》と
首っ引きをしているところへ入り込んで来たのが、丸髷《まるまげ》の町家風《ちょうか....
「大菩薩峠」より 著者:中里介山
あるだろう、我々が道楽をして遊んでいた時分に、あいつは青い面《かお》をして書物と
首っ引きをしていたのだから、相当に理窟は言えるようになったろうけれど、それよりも....
「吹雪のユンクフラウ」より 著者:野上豊一郎
がそうですと答え、なお次々におもだった峰角の名前を数え立てた。私はパノラマ図録と
首っ引きで一つ一つそれ等を跡づけて行った。 まずユンクフラウ(四一六六米)から....
「歴史的探偵小説の興味」より 著者:小酒井不木
ものの、さて書こうと思うと何にも書けない。これが犯罪学に関したことなら、参考書と
首っ引きで、相当に御茶を濁すことが出来るが、歴史的探偵小説を研究した参考書などは....
「海豚と河豚」より 著者:佐藤垢石
しい。本物は、鯨のすき焼きだ。狭い食堂が、鍋下の火気で暑い。いずれも肌抜ぎで鍋と
首っ引きをはじめた。 よく食えるものである。牛のひれ肉よりもっと柔らかい。そし....
「墓が呼んでいる」より 著者:橘外男
せんでした。 到頭その夏は、秋風が立って十月|赤蜻蛉の飛び交う頃まで、体温計と
首っ引きで、伊東で寝て暮してしまいました。気候がよくなってから、やっと東京へ戻っ....
「ロザリオの鎖」より 著者:永井隆
思った。誰にも尋ねずひとりでこの故障を直してみせるぞと思いこんだ。複雑な配線図と
首っ引きで、配電盤の中に張りめぐらされた電線を追跡した。時間のたつのも知らなかっ....