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首の座
「首の座〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
首の座の前後の文節・文章を表示しています。該当する14件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「婦系図」より 著者:泉鏡花
てるような、猫の恋になるのがある。しみったれてるじゃありませんか。度胸を据えて、
首の座へお直んなさい。私なんざ疾くに――先生……には面は合わされない、お蔦……の....
「老中の眼鏡」より 著者:佐々木味津三
ようにし乍ら卒然として言った。 「のう館!」 「はっ」 「人はな」 「はっ」 「
首の座に直っておる覚悟を以て、事に当ろうとする時ほど、すがすがしい心持の致すこと....
「雪之丞変化」より 著者:三上於菟吉
はたん》の来ないはずがない。
間もなく、長二郎もお初も御用になって、男の方は、
首の座が飛ぶところを、侠気《きょうき》の点を酌量《しゃくりょう》されて佐渡送り―....
「道標」より 著者:宮本百合子
ちていた。ここが、昔モスク※がロシアの首都であった時分しばしばつかわれた有名な|
首の座《ローブヌイ・メスト》だった。ステンカ・ラージンも、プガチョフも、この首の....
「鼻の表現」より 著者:夢野久作
めて行くのは無理もない事であります。 こうして回を重ねた揚句、事|遂に発覚して
首の座に坐って、いよいよこれで一代記の読み切りという処まで来ても、彼等悪党は自若....
「女客」より 著者:泉鏡花
聞くのであろう、潔白なるその顔に、湧上るごとき血汐の色。 「切迫詰って、いざ、と
首の座に押直る時には、たとい場処が離れていても、きっと貴女の姿が来て、私を助けて....
「加利福尼亜の宝島」より 著者:国枝史郎
が、松並木の多い住吉街道をやがて浜まで引かれて来た。 矢来の中へ押し入れられ、
首の座へ直ったところで、係りの役人がつと進んだ。 「これ紋太夫、云い遺すことはな....
「小説 円朝」より 著者:正岡容
てみろ噺を。エーエーをいうんじゃねえぞ」 顎でしゃくった。 「ヘイ」 肯いて
首の座へ直ったが開口一番、 「エー申し上げます」 すぐその「エー」をいってしま....
「仏教人生読本」より 著者:岡本かの子
鎗を立てて微笑む鹿之助の顔が眼に泛ぶのであります。 「男が話が判ってくるのは一度
首の座に直ってからだ」。私の母は、その父の郷士で儒者であった人が、しじゅうこう口....
「三国志」より 著者:吉川英治
。 やがて彼は、孫策の本陣へ引かれて来た。 「万事休す」と観念した彼は、従容と
首の座について、瞑目していた。 すると誰か、「やあ、しばらく」と、帳をあげて現....
「三国志」より 著者:吉川英治
捕虜の呂布へ、冷然と一|眄を与えると、自身、白門楼の長い石段を降って、――下なる
首の座に坐った。 その後ろ姿に、 「ああ――」 と、曹操は、階上の廊に立ち上....
「私本太平記」より 著者:吉川英治
ない」 俊基は、心もち頭を下げた。 盛高のことばの裏の意味はすぐ解けた。――
首の座を告げているのだ。――せめて一夜は、というからには、処刑は、明日と極ったに....
「私本太平記」より 著者:吉川英治
とか助かる道がつこう。嘘じゃない、おらを信じて、その訴願の使いに出してみてくれ。
首の座を前に、これだけの人間がただ悲しんでばかりいるなんて、余りに能がなさすぎる....
「雲霧閻魔帳」より 著者:吉川英治
なるべく、縁起の吉い日にしようぜ。御幣をかつぐ訳じゃないが、物は縁起ということもあるし、お互い様に明日の
首の座は分らない。こちとら、白浪渡世―― いうにゃ及ぶ。 さて、その日は? ....