首を振る[語句情報] » 首を振る

「首を振る〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

首を振るの前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
婦系図」より 著者:泉鏡花
翌の朝だ。」 「待なッてば、」 「可いよ、めのさん。」 「はて、どうしたら、」と首を振る。 「お前たちは、」 と主税は呆れた顔で呵々と笑って、 「相応に気が利....
春の潮」より 著者:伊藤左千夫
お千代は北の幸谷なる里方へ帰り、省作とおとよは湖畔の一|旅亭に投宿したのである。首を振ることもできないように、身にさし迫った苦しき問題に悩みつつあった二人が、そ....
深夜の市長」より 著者:海野十三
ペン爺さんの袂を引いて尋ねても、僕の顔を一と目見るなり顔を背けて、知らぬ知らぬと首を振るのだった。 僕は今でも、時折思いたっては、当て途もなく深夜の街を散歩す....
人外魔境」より 著者:小栗虫太郎
エラをながめていたが、思わず……この時首をふった。すると、おなじようにマヌエラも首を振る。ハッとした座間が今度は試みに唇をとがらした。とまた、マヌエラがおなじ動....
猿飛佐助」より 著者:織田作之助
裃つけて、歌を読むとて短冊片手に首を振り、万葉もどきの調子をつけて、『アバタめが首を振る振る振るもよし振らざるもよし』などとは、口くさっても言えようか。気が狂う....
高島異誌」より 著者:国枝史郎
れは不仁と申すもの、理由の説明無いからには、左様な不親切は出来ませぬ」 純八は首を振るのであった。すると千斎は気の毒そうに、 「御身の上に恐ろしい災難が振りか....
八ヶ嶽の魔神」より 著者:国枝史郎
しない。堅く身を縮めるばかりである。 「返辞のないは厭と見える」 水藻は無言で首を振る。 「それともそちは恥ずかしいか?」 乙女は黙って頷いた。 「まだそち....
貝の穴に河童の居る事」より 著者:泉鏡花
のざまよ。」 と云った、眼がピカピカと光って、 「われも世を呪えや。」 と、首を振ると、耳まで被さった毛が、ぶるぶると動いて……腥い。 しばらくすると、薄....
火星兵団」より 著者:海野十三
ど、それはどういうものを指していうのか、意味はさっぱりわからぬ」 千蔵は大きく首を振るのだった。 「おい千二、その『火星兵団』という薬の名前みたいなものは、一....
露肆」より 著者:泉鏡花
婦の前垂に附着くや否や、両方の衣兜へ両手を突込んで、四角い肩して、一ふり、ぐいと首を振ると、ぴんと反らした鼻の下の髯とともに、砂除けの素通し、ちょんぼりした可愛....
怪しの者」より 著者:国枝史郎
ここで私は言葉を改め、「貴殿のご姓名なんと申されるかな?」 「…………」無言で首を振るのでした。 「隠密として事破れし以上、姓名は言わぬというお心か。ごもっと....
生死卍巴」より 著者:国枝史郎
と勘右衛門は迂散くさそうに云った。 「何だ何だ持っている物は?」 すると京助は首を振るようにしたが、 「さあ何でありましょうやら、とんと私は存じません」 「で....
銅銭会事変」より 著者:国枝史郎
後のことだ。差し詰めここで決めてえのは、素直に俺らの女房になるか、それとも強情に首を振るか、二つに一つだ。返辞をしねえ」 駕籠の中からは返辞がなかった。どうや....
俊寛」より 著者:倉田百三
まま)あの船は陰府から来たように見える。(心の内にさす不吉の陰を払いのけるように首を振る) わしはばかげた妄想に悩まされているかもしれないぞ。そうであってくれ。....
三枚続」より 著者:泉鏡花
出すと、こう耳朶の処へ縺れた髪の毛が障るでしょう、あいつあ一筋でもうるそうがさ、首を振るとなお乱れて絡いますから、呼吸をかけてふッふッ鬢の尖を向うへ吹いちゃあ、....