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「首尾〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

首尾の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
」より 著者:芥川竜之介
一瞬間の後陳彩は、安々《やすやす》塀を乗り越えると、庭の松の間をくぐりくぐり、首尾《しゅび》よく二階の真下にある、客間の窓際へ忍び寄った。そこには花も葉も露に....
開化の良人」より 著者:芥川竜之介
ね》は、一段と櫓《ろ》の音を早めながら、今ではもう両国橋を後にして、夜目にも黒い首尾《しゅび》の松《まつ》の前へ、さしかかろうとしているのです。そこで私は一刻も....
忠義」より 著者:芥川竜之介
ある。その子息の一人を跡目《あとめ》にして、養子願さえすれば、公辺《こうへん》の首尾は、どうにでもなろう。もっともこれは、事件の性質上修理や修理の内室には、密々....
或る女」より 著者:有島武郎
ておかなければ、それだけの心尽くしを見せて置かなければ、目論見《もくろみ》どおり首尾が運ばないように思ったので、一ぺん横になったものをまたむくむくと起き上がった....
星座」より 著者:有島武郎
ぞ。忘れちゃあいけないよ」 父の手がおぬいの肩でかすかに震えはじめた。 父が首尾よく部屋を一周して病床に腰を卸《おろ》すと親子三人はひとりでに手を取り合って....
婦系図」より 著者:泉鏡花
。そなたに向って行くのに、従って歩行くものを、(どこへ行く。)は情ない。散々の不首尾に、云う事も、しどろになって、 「散歩でございます。」 「わざわざ、ここの縁....
歌行灯」より 著者:泉鏡花
摩が尋ねて来たら、堅く居らん、と言え、と宿のものへ吩附けた。叔父のすやすやは、上首尾で、並べて取った床の中へ、すっぽり入って、引被って、可心持に寝たんだが。 ....
薄紅梅」より 著者:泉鏡花
、はははは談じたまうなよ、息子は何でも内輪がいい。……まずお酌だ。」 いかがな首尾だか、あのくらい雪にのめされながら、割合に元気なのは、帰宅早々婆さんを使いに....
霊界通信 小桜姫物語」より 著者:浅野和三郎
ちくださいませ。』と言って、踵をかえして急いで奥へ入って行きました。 『乙姫様に首尾よくお目通りが叶うかしら……。』 私は多少の不安を感じながら玄関前に佇みま....
霊訓」より 著者:浅野和三郎
方純情の点に於て利益を受けていると言ってよい。が、何と言っても人生の悪戦苦闘を、首尾よく切り抜けて、凱歌を挙げた魂が、更に更に尊い。いわゆる艱難汝を珠にすで、試....
燕と王子」より 著者:有島武郎
子はしきりとおせきになります。しかたなく胸のあたりの一|枚をめくり起こしてそれを首尾よく寡婦の窓から投げこみました。寡婦は仕事に身を入れているのでそれには気がつ....
小夜啼鳥」より 著者:アンデルセンハンス・クリスチャン
だ。どうもいままであれをきいていなかったのがふしぎだ。あれなら宮中でも、上上のお首尾じゃろう。」 「陛下さまのごぜんですから、もういちどうたうことにいたしましょ....
活人形」より 著者:泉鏡花
て引摺り出そうと思ってる内に、泰助めが出懸ける様だから、早速跡を跟けて、まんまと首尾よくぶっちめる処を、さんざんにぶっちめられたのだ。忌々しい。「可し一所に歩べ....
大利根の大物釣」より 著者:石井研堂
り来り、嬉しいには相違なきも、危惧の念亦一層強く、たとえ十分信頼せる釣具にせよ、首尾よく挙げ得るや否やを、気遣うことも頻りなり。 引き寄せては引かれ、寄せては....
本所両国」より 著者:芥川竜之介
に泥濁りに濁っている。それから大きい浚泄船が一艘起重機をもたげた向う河岸も勿論「首尾の松」や土蔵の多い昔の「一番堀」や「二番堀」ではない。最後に川の上を通る船で....