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首尾の松
「首尾の松〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
首尾の松の前後の文節・文章を表示しています。該当する11件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「右門捕物帖」より 著者:佐々木味津三
もとにきらめく月光をあびながら、その川の上へぬっと枝葉を突き出している大川名代の
首尾の松までがくっきりとひと目でした。ひょいと見ると、その
首尾の松の根もとにうず....
「夜明け前」より 著者:島崎藤村
若様をも迎えることができなかったと言って見せるのはこの隠居だ。遠くは水神、近くは
首尾の松あたりを納涼の場所とし、両国を遊覧の起点とする江戸で、柳橋につないである....
「幕末維新懐古談」より 著者:高村光雲
着くようになっていた(この中ノ口|河岸に水面に枝を張った立派な松があった。これが
首尾の松といって有名なもの、此所は今の高等工業学校校内になっている)。左側は、伊....
「旧聞日本橋」より 著者:長谷川時雨
こから金にしてもらったり、白米で渡してもらったりしたものでね。清元の唄にある――
首尾の松が枝竹町のって――百本|杭《くい》の向う河岸の、お船蔵の
首尾の松さ、あす....
「丹下左膳」より 著者:林不忘
入りの掘割《ほりわり》が櫛の歯のようにいりこんでいる岸に、お江戸名物の名も嬉しい
首尾の松が思い合った影をまじえて、誰のとも知らぬ小舟が二、三|舫《もや》ってあっ....
「円朝花火」より 著者:正岡容
と豪華のほどを競い、争っている。まったく今夜ばかりは松浦侯の椎《しい》の木屋敷と
首尾の松の一角が、わずかに両岸で闇を残しているのみで、 長橋三百丈 影偃緑波....
「雪柳」より 著者:泉鏡花
ぎている、やがて十二時。舳が蔵前をさすあたり、漾蕩たる水の暗さにも、千鳥の声に、
首尾の松が音ずれして、くらやみから姿をさしのべ、舟を抱くばかりに思うと、ぴたりと....
「江戸芸術論」より 著者:永井荷風
行違ひに薄べりと浴衣《ゆかた》を冠りし真裸体《まはだか》の男二人雨をついて走る。
首尾の松の釣船《つりぶね》涼しく椎木屋敷《しいのきやしき》の夕蝉《ゆうせみ》(中....
「日和下駄」より 著者:永井荷風
旭《あさひ》の松《まつ》または稚児《ちご》の松《まつ》とも称せられたものとやら。
首尾の松は既に跡なけれど根岸にはなお御行の松の健《すこやか》なるあり。麻布|本村....
「本所両国」より 著者:芥川竜之介
に泥濁りに濁っている。それから大きい浚泄船が一艘起重機をもたげた向う河岸も勿論「
首尾の松」や土蔵の多い昔の「一番堀」や「二番堀」ではない。最後に川の上を通る船で....
「大岡越前」より 著者:吉川英治
黙って舟を漕いでいよう。――ええと、お乗合の衆、舟はただ今、両国橋の下をすぎて、
首尾の松へさしかかっておりますよ。そろそろお上がりの支度をなさいませ」 阿能十....