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「首尾一貫〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

首尾一貫の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
支倉事件」より 著者:甲賀三郎
約四十四、五枚、之を半紙へ筆で書いたのだから、その手数さえ一通りではない。それが首尾一貫して字体から行の配りまでキチンとしている。前に述べた通り誤字脱字は殆どな....
技術の哲学」より 著者:戸坂潤
標榜することによって、技術家の社会生活は事実上益々安定となるのだから、寧ろ賢明な首尾一貫と云わねばならぬ。 社会的効果を意識的無意識的にねらっているこれ等ブル....
現代唯物論講話」より 著者:戸坂潤
、夫も亦、「対象に対する人為的操作」として、一般に実験と呼ばれる方が、少なくとも首尾一貫した術語に相応わしいだろう。処で私に云わせれば、そうした観測器械たる実験....
霊訓」より 著者:浅野和三郎
である。ただの一つとして、啓示の全部を承認するものはない。何となれば、啓示全部が首尾一貫したものではないからである。かるが故に、啓示の他の章節を選び出した人達と....
三十歳」より 著者:坂口安吾
たが、その時はもう、みんな忘れて、とりとめのない断片だけがあるばかり、今もなお、首尾一貫したものがない。 日暮れであった。いや、いつか、日暮れになったのだ。あ....
ニューフェイス」より 著者:坂口安吾
めた気がゆるんだせいか、ツウさんが、また、六ツ七ツ、つゞけさまに大物をもらした。首尾一貫した終戦の合図、笑い納めて、飲み直す。 ソプラノ嬢も三人の旦那方の愛想....
私は誰?」より 著者:坂口安吾
全く愉快千万。小説書きという奴は、かくの如くトンチンカンで、妙チキリンに古風で、首尾一貫していない。トンマなことばかり喋っているので、だから、書くものだけを読む....
太宰治情死考」より 著者:坂口安吾
女に惚れました。惚れるだけの立派な唯一の女性です。天国で添いとげます、そんな風に首尾一貫、恋愛によって死ぬ方が、私には、珍だ。惚れているなら、現世で、生きぬくが....
安吾巷談」より 著者:坂口安吾
の音も、祝盃の音も、みんなきこえて、最後に殊勲の女を情夫が愛撫する音まできこえ、首尾一貫、居ながらにして、現代劇を味っているようであった。そのツツモタセのたかっ....
明治開化 安吾捕物」より 著者:坂口安吾
かも知れねえや」 ★ 昇龍丸の冒険談から殺人事件に至るまで首尾一貫して語るのにヒマがかかって、虎之介が海舟邸を辞去する時はすでに午になろう....
二都物語」より 著者:佐々木直次郎
中諸人物の滑稽感や哀感に集中しているのが普通であるに対して、本篇では、筋は完全に首尾一貫し、全体の構成がはなはだ緊密であり、作中諸人物はことごとく物語の進展に関....
光り合ういのち」より 著者:倉田百三
キリと暗い、そしていくらか世俗的な恢復慾を起こさせたことは、どうしても父としては首尾一貫していない気がする。私の知った塵労の初めだとも言いたい。父母や先生の方で....
安吾人生案内」より 著者:坂口安吾
心得た犯人が指紋よりも手がかりになり易い自分の袋に米をつめたまま捨てて行くことは首尾一貫を欠いてダラシがなさすぎる、ちょッと理窟に合わぬ、変だ、と見ることもでき....
明日は天気になれ」より 著者:坂口安吾
しろ甚だ人をバカにし人を軽く見たようなものであるが、幸いにも誰もバカにされずに、首尾一貫してゲリラの精神に添うことができた。めでたい話で、いかにも時代風俗であっ....
クリティシズムと認識論との関係」より 著者:戸坂潤
割合離れた観念だ。批評主義者のカントが天才を一種の芸術的官能に制限したのは、甚だ首尾一貫している。個々の芸術領域の守護神がジェニーである。アンシクロペディストと....