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首巻
「首巻〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
首巻の前後の文節・文章を表示しています。該当する13件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「女百貨店」より 著者:吉行エイスケ
限切れは赤の他人だわ。」と憤懣《ふんまん》の色をうかべて彼女がこたえた。 赤い
首巻きを締めるように、肥満した男の太い呼吸がばったりやむと、人口的な都会の性格が....
「雪後」より 著者:梶井基次郎
傾斜を牽《ひ》いてあがった。そこから滑り降りるのだ。――橇はだんだん速力を増す。
首巻がハタハタはためきはじめる。風がビュビュと耳を過ぎる。 「ぼくはおまえを愛し....
「海に生くる人々」より 著者:葉山嘉樹
。のろいの声を揚げて風が波をつき刺した。彼は外套《がいとう》の襟《えり》を立て、
首巻きを耳まで巻いてフルスピードで停車場の方へと急いだ。 停車場は室蘭の町をズ....
「単独行」より 著者:加藤文太郎
、三度投げ出された。顔と手の寒いことよ。スキー帽の上に目出し頭巾を冠り、その上を
首巻でグルグル巻いているのに、風の強く吹いてきたときは痛いと思うほど寒い。顔と手....
「新版 放浪記」より 著者:林芙美子
走りつづけた私であった
朧《おぼろ》な月の光りと赤い放浪記よ
首にぐるぐる白い
首巻をまいて
汽船を恋した私だった。
一切合切が、何時も風呂敷包み一つの私....
「東京へ近づく一時間」より 著者:宮本百合子
っかり隣りの坐席の男に肩をもたせこむような恰好をして睡り込んでいる。真白い毛糸の
首巻から、陽やけのした、今は上気《のぼ》せている顔が強い対照をなしている。奥の方....
「燕と王子」より 著者:有島武郎
らおもてに出てごらんなさい。羽根がむらさきのような黒でお腹が白で、のどの所に赤い
首巻きをしておとう様のおめしになる燕尾服の後部みたような、尾のある雀よりよほど大....
「ひらめの学校」より 著者:林芙美子
とれていました。鯖村の村長さんも女の方です。とてもよくふとった方で、きれいな藻で
首巻きをつくって、それを自慢そうに脊中にかけていらっしゃいました。 「みなさん、....
「ジャン・クリストフ」より 著者:豊島与志雄
伝えもしなかった。その代わりに、用件を一つ頼んできた。コレットの家に置き忘れてる
首巻を送ってくれと言っていた。それは大したことではなかった――(オーロラは、クリ....
「レ・ミゼラブル」より 著者:豊島与志雄
をはずし、それを乞食娘《こじきむすめ》のやせた紫色の肩の上に投げてやった。それで
首巻きはまた再び肩掛けに戻ったわけである。
娘はびっくりしたようなふうで彼をな....
「キャラコさん」より 著者:久生十蘭
これじゃ、まるで、騒ぎの起きるのを待ってるようなもんだ」 アマンドさんが、厚い
首巻きのおくで、はっきりしない声をだす。 「それは、いったい、どういう意味だね」....
「ハイカラ考」より 著者:木村荘八
洋服のカラーは、そもそもはじめには Collar これを「コラル」と発音して、「
首巻」或いは「つけえり」と訳された。こういうことも、到底軽視できなければ、その頃....
「熊手と提灯」より 著者:正岡子規
方がないとあきらめると、つめたい風が森の中から出て電気燈の光にまじって来るので、
首巻を鼻までかけて見たが直に落ちてしまう、寒さは寒し、急に背中がぞくぞくして気分....