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「首筋〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

首筋の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
温泉だより」より 著者:芥川竜之介
て見ると、「朝日」の二十入りの空《あ》き箱に水を打ったらしい青草がつまり、それへ首筋の赤い蛍《ほたる》が何匹もすがっていたと言うことです。もっともそのまた「朝日....
或る女」より 著者:有島武郎
ら葉子を見つめていた。 「それがまたね、いつものとおりに金時《きんとき》のように首筋までまっ赤《か》ですの。『諸君』とかなんとかいって大手を振り立ててしゃべって....
或る女」より 著者:有島武郎
か。これもみんなお前のお陰だぞ。業《ごう》つくばりめ」 といっていきなり葉子の首筋を腕にまいて自分の胸に押しつけた。 しばらくして倉地は寝床を出たが、昨夜の....
高野聖」より 著者:泉鏡花
温気《うんき》で蒸殺《むしころ》されるばかりじゃと、我身で我身を激《はげ》まして首筋を取って引立てるようにして峠の方へ。 何しろ路傍《みちばた》の草いきれが恐....
地球発狂事件」より 著者:海野十三
蹴るようにして中へ飛び込んだ。 水をじゃあじゃあと出して、顔をごしごし洗った。首筋から胸へかけても、ひりひりするほどタオルでこすった。うがいも丁寧に二度もやっ....
眉かくしの霊」より 著者:泉鏡花
方に乗り出しつつ見ていることであった。 トタンに消えた。――頭からゾッとして、首筋を硬く振り向くと、座敷に、白鷺かと思う女の後ろ姿の頸脚がスッと白い。 違い....
深夜の市長」より 著者:海野十三
気がついてみると、僕はなんだか温いものの上に寝ていた。ヒヤリと冷いものが、額から首筋へ流れた。一体どうしたというんだろう。 「ああ、気がついたようです。……」 ....
江戸か東京か」より 著者:淡島寒月
劇しいのになると真の闇の内からヌーと手が出て、見物の袖を掴んだり、蛇が下りて来て首筋へ触ったりします。こんなのを通り抜けて出ることが出来れば、反物を景物に出すな....
不沈軍艦の見本」より 著者:海野十三
れに違いないと一言いってください」 「と、とんでもない」 と金博士は、珍らしく首筋まで赧くして首を振った。 「と、とんでもないことじゃ。あの大戦果は、わしには....
鷭狩」より 著者:泉鏡花
て、肩をしめて立っていた。 お澄が入って来た――が、すぐに顔が見られなかった。首筋の骨が硬ばったのである。 「貴方、ちょっと……お話がございます。」 お澄が....
野のはくちょう」より 著者:アンデルセンハンス・クリスチャン
がてエリーザはそまつな麻の着物を着せられました。あのうつくしい髪の毛は、きれいな首筋にみだれたまま下がっていました。ほおは死人のように青ざめでいました。くちびる....
」より 著者:上村松園
夜寝るときには枕もとにたばねて寝たのであるが、ひんやりとしたみどりの黒髪の枕が、首筋にふれる気持ちは悪くはなかったであろうと思う。 近来は女性の髷もいちじるし....
白花の朝顔」より 著者:泉鏡花
なって胸へ入り、櫛笄がきらりとして、前髪よりは、眉が芬と匂うんです。そのまま私の首筋に、袖口が熱くかかったなり、抱き据えて、腰をたてにしたまで、すべて、息を吐く....
黒猫十三」より 著者:大倉燁子
を見た。 何という可愛らしさだろう、まるで眠っている西洋人形だ、細面で、頤から首筋へかけての皮膚が滑べこそうで、東洋人には珍らしい濁りのない白さだ。睫毛に覆わ....
消えた霊媒女」より 著者:大倉燁子
そこで私を相手に雑談をするのでした。ところがその恐ろしい守宮がよくまた勝田さんの首筋に落ちかかったり、知らずに扉のハンドルと一緒に守宮を握ったりして、その冷やり....