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「首肯〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

首肯の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
松江印象記」より 著者:芥川竜之介
おいにみちたたそがれの川へ静かな影を落すのを見た人々はたやすくこの自分のことばに首肯することができるだろうと思う。 自分は最後にこの二篇の蕪雑《ぶざつ》な印象....
宣言一つ」より 著者:有島武郎
なたもストーヴにあたりながら物をいってる方だろう」と言われたので、私もそれを全く首肯した。河上氏にはこの会話の当時すでに私とは違った考えを持っていられたのだろう....
地球発狂事件」より 著者:海野十三
などで「発狂事件」と命名するより外に他に妥当なる名前のつけ方がないことが、誰にも首肯されるに至った。さてこそまことに天下一大事、この事件にまさる大事件は有史五千....
千年後の世界」より 著者:海野十三
れない」 まだ十九か二十の溌刺たる女性の四股をもちながら、それで九百三歳とは、首肯しかねる。第一、そんな長寿者がいるものだろうか。 「ほほほほ。そんなことをお....
惜みなく愛は奪う」より 著者:有島武郎
から始めねばならない。 若し私のこの貧しい感想を読む人があった時、この出発点を首肯することが出来ないならば、私はその人に更にいい進むべき何物をも持ち得ない。太....
宇宙の始まり」より 著者:アレニウススヴァンテ
いであろうか。――これは大して深く考えるまでもなく次のことを考慮してみれば容易に首肯されるであろう。すなわち、宇宙構造内における回転運動が末期に至って衰退しつい....
電気風呂の怪死事件」より 著者:海野十三
かく、簡単ながら、男湯の電気風呂へ、何かの仕掛けが施されていることだけは、誰にも首肯されたのであった。 赤羽主任の脳裡には、漸く事件の綾が少しずつ明瞭になって....
大脳手術」より 著者:海野十三
こういう呪わしき境遇に追込まれた者の常として、平面無臭の生活ができないことは首肯されるであろう。私の場合においてもこの例に漏れず、日夜刺激を追及し、その生活....
化銀杏」より 著者:泉鏡花
りがかりの市人に就きて、化銀杏の旅店? と問われよ。老となく、少となく、皆直ちに首肯して、その道筋を教え申さむ。すなわち行きて一泊して、就褥の後に御注意あれ。 ....
霊界通信 小桜姫物語」より 著者:浅野和三郎
闘のこと、落城後の侘住居のことなど、有りのままにお話ししました。玉依姫様は一々|首肯きながら私の物語に熱心に耳を傾けてくだされ、最後に私が独りさびしく無念の涙に....
久保田万太郎氏」より 著者:芥川竜之介
落ちざるべし。即ち原稿用紙三枚の久保田万太郎論を草する所以なり。久保田君、幸いに首肯するや否や? もし又首肯せざらん乎、――君の一たび抛下すれば、槓でも棒でも動....
佐藤春夫氏の事」より 著者:芥川竜之介
、「お絹とその兄弟」の如き、皆然らざるはあらず。これを称して当代の珍と云う、敢て首肯せざるものは皆偏に南瓜を愛するの徒か。....
穂高岳槍ヶ岳縦走記」より 著者:鵜殿正雄
一 神秘の霊峰 信飛の国界に方りて、御嶽・乗鞍・穂高・槍の四喬岳のある事は、何人も首肯する処、だが槍・穂高間には、なお一万尺以上の高峰が沢山群立している、という事....
青い風呂敷包」より 著者:大倉燁子
クリと咽喉を鳴らして、水を飲んだ。 「ちッたア、はっきりした?」 彼女は黙って首肯いた。しばらくすると大きな溜息を吐いて、 「ああ、怖かった!」と吐き出すよう....
鳩つかひ」より 著者:大倉燁子
、内心の尠からざる不安は、その面持でハッキリ見てとれる。 立松は眉を顰めながら首肯いて、 「困った事ながら事実です――一ヶ月ほど前有名な実業家富田氏が、高価な....